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コーヒーローストにおける難しさ。
公開日:2024年7月4日更新日:2024月07月04日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
感覚における解像度が向上することが、感覚が良くなると感じることなのだと理解をした。
これまでの感覚の育成によって解像度が向上してきたことで、ローストの味づくりにおいても解像度が向上してきている。
すると、ローストにおける味づくりの変化が今まで以上に感じられるようになってきていることを実感することになる。
ローストにおける1つの設定におけるコントロールとは、横軸のボリュームの調整であるのだが、その難しさとは幾つものボリュームが1つの設定で調節していることにある。
だからこそ、感覚においてその幾つものボリュームを認識できない限り、その1つの設定のバランスを取ることが出来ないため、そこに難しさがあるのだ。
そしてローストでの味づくりでは、幾つもの設定を必要とする。
特に当店の焙煎機のように蓄熱性が低いものは、焙煎機から伝えられる伝導熱と放射熱(輻射熱)が豊かでは無いため、熱源における対流熱が多めに与えられることで、コーヒー生豆と結びつきやすいフレーバーが登場しやすい傾向にある。
そのような焙煎機を使う場合は、ちょっとした熱量の与え方でフレーバーが変化してしまうため、ローストの設計図でもある設定を緻密にしなければならなくなるため、設定数がどうしても増えてしまう傾向にある。
逆に海外の焙煎機のように、使われている鋼材の違いによる蓄熱性豊かな焙煎機の場合では、伝導熱と放射熱の割合が豊かなため、コーヒー生豆と結びつき易いフレーバーが抑えられる傾向にあるため、設定の数を抑えられる傾向にあると考えている。
なので、焙煎機選びは、伝導熱と放射熱そして対流熱のバランスによるものが味づくりに影響していると考えている。
味づくりにおいて焙煎機選びとは、目指すコーヒーの味づくりとリンクしているので、どのようなコーヒーをローストによって味づくりしたいのか?を見据えた上で決めた方がよいのだ。
まぁ、最初からそれを理解して焙煎機を選ぶことは難しく、何年も経験することで、目指す味づくりのために焙煎機を選ぶことが可能になるので、コーヒーのローストはシンプルゆえにとても難しいのである。