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できなかったことが、できるようになること。

公開日:2024年6月30日更新日:2024月06月30日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。, 論理的な考え方

できなかったことが、できるようになること。

これはローストの味づくりの話しである。

以前まで、できなかったローストが意識が変わると一夜にして出来るようになることがある。
それがローストでもある。
だから面白くもあり、ゆえに難しくもある。

そしてその意識とは、味づくりの組み立て方であるのだが、その背景にあるものとは「美しさの成り立ちの理解」であると思っている。
焙煎を四半世紀も繰り返し続けていると、技法的にはありとあらゆるものを試し取り組んできていることから、新たな技法の発見というよりも、技法の組み合わせの可能性こそが、味づくりであると認識し始める。
そして、そこに介入しなければならない状態が「美しさの介入」にある。

人が作り出す「美しさ」とは、どのように作り出されているのであるのか?
それが成り立ちであり、表現でもある。
それが理解できるのであれば、誰でもが美しさを表現することが出来るようになるからである。

美しさの成り立ちのうちの一つ状態を理解し、それにより酸味と甘さの美しさを同時にカップの中に登場させたい場合に、くすんでも濁ってもいいから甘さを登場させたいのならば、誰にでも甘さを登場させることが出来る。
しかし、くすまないように、濁らないようにクリーンなフレーバーと液体のクリーンさを保ちながら、美しい酸味と甘さを登場させたい場合では、話しはまったく違ってくることになるのだ。

良質さという美しさを表現したい場合のローストでは、そこがとても大きな問題点であり、ボクの場合では、良質な甘さに加えて、素材の美しいフレッシュな酸味をきちんと背景に登場させたいのだ。
その両者を同時に一杯のカップの中に登場させたいがために、今までもそしてこれからもローストに向き合っていくことになる。

そしてそれが、以前はできなかった技法の組み合わせ方が、幾つもの「美しさの成り立ち」を理解してゆくうちに、それが出来る可能性が見えてくるのだ。
ここまで来れば、あとは意外と早い段階でそれが可能になることだろうと考えれるようになる。

できなかったことを、それで終わりにするのではなく、感覚の進歩によって組み合わせ方は無限であるため、そこの理解が発展することで、できなかったことが、できるようになる可能性を含んでいるのである。
なので、感覚における理解が進むために取り組むことが重要であると思っている。

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