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またローストの設定がズレてきている。
公開日:2024年6月12日更新日:2024月06月12日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
季節の移ろいは、コーヒーのローストにおいて設定をズレを生じさせるものでもある。
2~3週間前くらいに、ローストの甘さが乗らなくなってしまったので、ローストの甘さを濁らないように乗せる対応をしたばかりなのに、今度はローストの甘さが乗り過ぎるようになってきてしまっている。
これは、季節の移ろいにおける大気の熱量の変化によるものであり、ローストの設定において与える熱量を変化させることで、味づくりのバランスを整えなくてはならない問題でもある。
問題は、ローストの甘さは濁りやすいので、濁らないように透明感を感じられる甘さのボリュームを感じられるように、それでいて背景には良質なコーヒー豆だけが持ち合わせている、艶々とした瑞々しい酸味を表現することにある。
ローストが濁ってしまうとボリュームは登場するのだが、背景に配置されたフルーツを思わせる酸味が楽しめなくなってしまうためである。
両者のどちらもが混ざり合うようでいて、それでも別々の存在であると認識できるような味づくりを理想だと考えて取り組んでいる。
これを成すことは、とても難しさがあるのだが無理なことではないのだ。
ただ、整えたと思ったらまたズレてくる。
その繰り返しの作業がローストでもある。
難しいからこそ、面白みもあるのだが、もうちょっと緩やかに季節が移ろってくれれば、ローストもここまで大変ではないのだと思うのだが、こちらの都合など聞いてくれるはずもないのだ。
それが、ローストにおける味づくりでもある。