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お酒が嫌いになった訳ではなく、質の劣るアルコールが飲めないようになっただけ。
公開日:2024年3月28日更新日:2024月03月28日
カテゴリ:良質さのお話。
2018年のローストの競技会の時にはお酒を飲んでいた記憶があり、コロナウイルスが蔓延した時には飲んでいなかったので、2019年のいつ頃からかもう解らないのだが、お酒を飲まなくなってしまった。
お酒が嫌いな訳ではない。
昨晩は、久しぶりに美味しい国産の白ワインを自宅で飲んだからだ。
立ち上がる香りから、ピンク色の少し華やかで粘性のあるストーンフルーツ系のアロマや黄色〜黄緑色の爽やかでフレッシュな酸のアロマが、クリーンで飲む前から良いワインだと教えてくれていた。
実際に口に含むと、アルコールの嫌なフレーバーが微塵も感じなく、味わいは口に含んだ瞬間からクリーンという美味しさがフレーバーの世界観に一気に包み込まれ、そして瑞々しいフレッシュな果実の香りと風味を余韻まで楽しませてくれていた。
3000円を少し切るくらいの値段になるが、良質なお酒は、やはり美味しいのである。
なので日常的にはその価格のお酒を飲める訳もなく、それなら飲まなくてもいいやと思い、お酒をあえて飲まなくなったのだ。
その、お酒を飲まなくなってしまった原因が実はある。
それは、「アルコールの嫌なフレーバーが微塵も感じない」というお酒は、ほとんど存在していないからである。
一般流通している価格帯のお酒では、アルコールの嫌なフレーバーは必ず存在しているので、もうそういったお酒は飲みたく無いと思うようになってしまったのだ。
ボクはずうっと良質さを自分の感覚で理解できるようになりたいと思い、20年以上も嗅覚のレベルを成長させたいと考え、様々な取り組みをしてきた結果、いろんな香りを脳でキャッチできるようになったのです。
しかし、いろんな香りを脳でキャッチできるようになってしまったことで、「アルコールの質」までも理解できるようになってしまったがために、飲めるお酒がとても少なくなってしまったのです。
ほとんどの一般流通しているお酒のアルコールのフレーバーは、ちょっとニュアンスは違うのですが、薬品のようなアルコールの香りを感じてしまうようになってしまい、美味しく感じないのです。
これは、どのような種類のお酒でも感じてしまい、そこを理解して作っている作り手しかその「アルコールの嫌なフレーバーが微塵も感じない」というお酒はなかなか作れないものであるのだと解釈をしています。
なので、昨晩飲んだ国産の白ワインも以前飲んだ時に、その「アルコールの嫌なフレーバーが微塵も感じない」という感覚があったので、同じメーカーのワインを購入したのです。
この白ワインを作っているメーカーのように、どこまで感じられていて、そしてその感じた劣る部分を登場させないようにするためには、何が原因であるのかを感覚で突き止めれる人たちがいることで、良質なものを作り出すことができるのです。
だから、良いモノを安定して作ることの難しさとは、長い時間をかけて感覚を育てるという人の育成がきちんと出来ていることにある。
これは、一朝一夕で育てれるものでは無いからこそ、良質なモノは尊いのです。