読み物。
Blog
似て非なるもの。
公開日:2024年2月25日更新日:2024月02月25日
カテゴリ:感覚のはなし, 良質さのお話。
たまに耳にすることわざに、「似て非なるもの」がある。
最近思う、その「似て非なるもの」に密度感を思うのだ。
コーヒーの密度感には、細かく言うと生豆由来から登場している密度感とローストによって登場している密度感の2つの異なる印象の密度感があるのだが、多くの人が思う密度感は「くっきり」としているものであり、それはローストによって登場している密度感でもある。
そして、一般消費者に多く使われている「ペーパーフィルター」も味わいの輪郭が「くっきり」と登場するのだが、その「くっきりさ」は、オイル分が登場していないことから生まれている「硬い」という「くっきりさ」を意味しているのに対し、良質なローストから導き出される密度感はオイル分を登場させているにもかかわらず、味づくりにおいて輪郭がシャープにくっきりと登場しており、そこには素材選びも含めたキメの細かな粒子が集まったという「くっきりさ」が密度感としては美しさを物語るものであるのだ。
だから、ペーパーフィルターのくっきりさと、良質な素材と良質なローストから生まれる美しい密度感とは「似て非なるもの」である。
それを感覚により別物だと捉えれるようになることで、良質さという美しさを今以上に感じられるようになってくるものであるのだ。