読み物。
Blog
味づくりの組み立て方。
公開日:2024年2月16日更新日:2024月02月16日
カテゴリ:お菓子づくりのこと, 焙煎の味づくりのこと。, 良質さのお話。
5年ぶりに販売された、ダルシーさんのチョコレート。
日本には販売店が無く、バレンタインのイベントでしか入手が困難であり、そしてそのバレンタインのイベントでの販売も5年ぶり。
待ちに待っていた販売だったのですが、近くの百貨店では販売が無く、オンラインストアにて購入をした。
5年ぶりということもあり、大切に1粒ずつ、そしてちょっとずつ食べている。
久しぶりにダルシーさんのチョコレートを食べてみて、今のボクの感覚だから理解できる凄さがある。
それが、感情にまで響くという美味しさを裏付けるためのバランスを構築するための味づくりにある。
良質なのにボリュームを登場させている時点で凄いのだけれど、その凄さを理解できる人は、良質な素材の持つ特性を知っている人でなければこの凄さはわからないであろう。
そして、どんな食材を選び、その選んだ食材の余韻までの移り変わりのバランスの配置である。
キーワードは、時間経過での移りゆく風味の登場の仕方にある。
幾つもの食材を使っていても、その風味の移り変わりを計算して味づくりがされている。
そしてチグハグさは当然ながら登場しないのだ。
そしてボクは焙煎士だからローストを見る。
チョコレートもカカオをローストし、そして加工されるものなので、ローストにおける粒子のキメの細かさであったり、酸味の登場の仕方を見ている。
それらすべてをひっくるめての味づくりであるのだ。
多くの人たちは、そこまで細かなところまでを見て食べていないので何が凄いのかが伝わらないことだと思うのだが、ダルシーさんのチョコレートはホントに凄い。
その凄さは、飛び抜けている。
まだ食べ始めたところなのだが、もう来年のことを考えている。
また来年も販売してくれることを祈っているのだ。
それは、その凄さを再認識するためでもある。
モノづくりに携わる者の一人として、現状を驕ることのないように、天上に存在するその味づくりを体感することの意味があるからである。