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後味の考察。
公開日:2024年2月4日更新日:2024月02月04日
カテゴリ:感覚のはなし
後味をきちんと感じらるようになったのも、実のところこの4~5年前くらいからだろうか?
それというのも、後味と書かれるが、そのほとんどの情報量は香りの情報となるためである。
味覚で後味を探しても、それほど感じられないからこそ、後味をきちんと感じられている人が少ないのだと推測ができる。
だから、飲んだり食べたりするピッチが早いのはそのせいである。
主に後味の香りで感じられる要素は、酸味だと考えていて、口の中で粘膜にひっついて留まっている物質の残り香がその正体であると認識をしている。
なので、普通にしているとそれほど感じないのだが、口内に留まる残り香を探そうと意識をするとしっかりと感じられるためである。
特にコーヒーの酸味は残りにくいのに対し、砂糖の酸味と乳製品の酸味はしっかりと残るので、残り香を感じられる人はコーヒーにあえて砂糖やミルクは入れない傾向にある。
だからこそ良質なコーヒーでしか、酸味の余韻が長いものは無いからこそ、非凡なのである。
また、残り香の酸味以外に当然ながらフレーバーの存在がある。
卵や乳製品のクオリティが低い一般流通している価格帯のものには、そのフレーバーに劣るエサの臭みがフレーバーとして登場している。
その残り香のエサの臭みのフレーバーがずうっと嫌な気分にさせてしまうため、臭みがひどい卵や乳製品を口にしたがらなくなるのはそのせいである。
また、コーヒーのローストにおいても燻り臭(煙の香り)が強いものは、ひどく香りが重たくザラついているため、重たい香りは残り香としてかなり長く口の中に留まる傾向にあるため、後味を探せる人は、ローストの燻り臭の強いものは嫌がる傾向にある。
香水や柔軟剤の重たい香りも同様であることを付け加えておく。
後味の中に、エサの臭みの「フレーバー」と「酸味」の後味の両者の存在がある。
スペシャルティコーヒーのテイスティングを学ぶと、口の中で感じられている味わいを、評価項目ごとに分類できなくてはならないので、コーヒーに限らず、いろんな味わいを分類できるようになってくる。
すると、食べ物の中には酸味がずうっと残るものと、残らないものがあることに気づきはじめる。
フルーツの酸味は残らないが、乳製品や砂糖の酸味は残る。
酸味の全容を知ると、美味しさの価値観が変わってくるものだと思っている。
食を学ぶことは、感覚を学ぶことである。