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ローストの難しさは、季節の移ろいにある。

公開日:2024年1月17日更新日:2024月01月17日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

ローストの難しさは、季節の移ろいにある。

焙煎士の取り組む味づくりにおいての難しさには、季節の移ろいが挙げられる。
それは、コーヒーの味づくりでは、ローストによって味わいのバランスを整えることが求められるためである。

酸味と甘さのバランスは、ローストのバランスであるからであるが、それは酸味のフレーバーと甘さのフレーバーのバランスでもある。
そしてそれは、質感を含むバランスでもあるからであり、それは余韻までを含むバランスでもあるためである。

このローストの難しさは、実際に仕事として焙煎に携わるものでなければ理解し難い難しさであるのだと思っている。
だからこそ、抽出で味を整えるバリスタという職業が存在するのも、ローストの難しさゆえである。

しかし、難しいからこそ面白いものでもあるのだ。
その通年を通してバランスの整ったローストを施せるようになるために、ローストのロジックを日々考え、一歩ずつ成長していけるように学ぶのである。

そのためには、ローストの成り立ちを知る必要性があり、それと同時にローストの良質さと素材(コーヒー生豆)の良質さの2つの良質さを理解するための学びも必要になる。

経験から、勘違いした成り立ちを本質だと思い込んでいると、いつまで経っても真意に辿り着けないので、常に疑う感覚が必要になる。
ローストは、幾つもの設定が重なり合うことで、それが味づくりと成しているので、その設定一つ一つの存在の意味と、設定が重なることでのバランスの意味を、素材と照らし合わせて考える必要性があるために難しいのである。

だから飽きることはなく、そしていつまで経っても本質の余白が残っているところに面白みがある。
難しさを面白みだと思えるようになるにも、10年以上の年月を必要とする。
この仕事は、それに耐えられるかどうかでもある。

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