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好き嫌い。
公開日:2024年1月11日更新日:2024月01月11日
カテゴリ:感覚のはなし
美味しいや、美味しくないは、好き嫌いだと言える。
だから、好き嫌いは「主観」であるのだ。
そして、良質さを学ぶ上で邪魔になるのが、その主観である。
良質なものを食べたり飲んだりしても、その主観が「美味しくない」と感じたならば、たとえ凄く良質なものであったとしても美味しくは感じないから良質さの判断に影響を与えるのだ。
そして、ボクの経験なのだが、香りの良質さを学んでいくことで、嗅覚を鍛えていくと、徐々に良質な香りを好きになり、劣る香りを嫌いになってくるのだ。
なぜこのようなことが起こるのかを考えていたら、それには香りの情報を処理する脳のエリアである「大脳辺縁系」が深く関わりがあるのだと考えている。
大脳辺縁系には、海馬や扁桃体と呼ばれる器官があり、その器官は好き嫌いを判断する器官でもあると言われている。
五感の中で香りの情報だけが、その大脳辺縁系のエリアで情報を処理されるため、香りの良し悪しを学んでいくことで、好き嫌いが上書きされていくのだと推測することができるのだ。
もし味覚的な感覚を鍛えていくだけでは、その情報は大脳新皮質で処理をされるため、好みを上書きには至らないのではないのか?
そう考えることができるのだ。
そしてもう一点、大脳辺縁系のエリアで情報を処理されるメリットとしては、感情に結びつき易い点だと言える。
良質なものを好みだと判断されるようになると、良質なものほど感情に直接働きかけられるのだ。
だから良質さは、とてもうっとりする美味しさの表現であるのだ。
なので、良質さを学ぶためには、香りの情報を意識することで大脳辺縁系でその情報を処理することにあるのだと考えることができるのだ。