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ローストのロジック。
公開日:2024年1月7日更新日:2024月01月07日
カテゴリ:感覚のはなし, 良質さのお話。
空に浮かんでいる雲は、元々は水蒸気が小さな水滴になって浮かんでいるものなのだけれど、肉眼で見えている。
そんな雲は光を通さないので、影ができる。
小さな集まりでも密集すると、光を通さなくなり影ができるのだ。
コーヒーのローストの良質さとは、ローストのクリーンさであるので、雲のような光を通さない影ができるローストは、ローストのフレーバーがしっかりと見えてしまうので、それは良いローストではないのだ。
クリーンなローストというものは、光を通すからこそ「明るさ」を感じるものであるため、透けて光を通すから明るく、ゆえに透明感という。
そしてそれは、ローストのことであるので、透けるクリーンなローストが出来るようになったなら、次は素材が持っている酸味とフレーバーをローストによって登場させることができるのであれば、ローストが透けているので背景に存在している素材の酸味やフレーバーがしっかりと登場してくるのである。
これがローストにおけるロジックである。
文面でロジックだけを聞くと簡単そうに聞こえるのだが、それを表現することはとても難しい。
そのためには、まずは感覚において透明感を理解する必要性がある。
透明感は、先ほども述べたが、光を通すから「透けている」という状態を感覚で理解をする必要性がある。
この光が透けているから明るいという状態を理解するためには、香りの色の情報が感じ取れないことには始まらない。
ローストの色は茶色であるため、マット(光を通さない)な茶色になりやすいが、フレーバーの色の情報を脳裏で感じられるのなら、透けるローストの茶色をローストにより施せばよいだけのことである。
なので、良いものを作りたいと考えた場合には、まずは感覚で良い状態を感じ取れなければ、良いものを作ることは出来ないのである。
だからこそ、感覚を育て良いものを感じ取れる感覚を育むことこそが一番大事なのことなのだ。
これがモノづくりにおけるロジックである。