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日本の美しさ。
公開日:2021年9月1日更新日:2021月09月01日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
日本人の美意識には、やはり生まれ育った日本特有の自然との関わりがあるのだと思っている。
緯度は同じだとしても、日本は太平洋と面していることで海流の影響を受けそして、海に囲まれていることで、陸続きよりも文化的な影響は独自のものへと変化しやすい背景があったのだろう。
そして、日本の移り変わる四季と湿度の高い国だからこその美意識。
だから日本特有の「色」が日本で長く暮らす人には根付くようになったと推測ができます。
それは、空気に湿度が多く含まれるからこその「ぼやけ」が太陽の光を受けて、四季折々の色彩を日本で暮らす人々の心に刻まれているのだろうと。
「ぼやけ」は「やわらかい」のです。
だからこそ、日本特有の色づかいが生まれてきたのだと思えてなりません。
これは、先日行った「吉田博」さんの個展を見てきて思えるようになったことです。
「ぼやけ」はくっきりとはしていませんが、「やわらかさ」など優しい印象があります。
そしてその「ぼやけ」にも質があると言うことです。
美しい「ぼやけ」と、美しくない「ぼやけ」。
その辺りの理解力が、良質さと向き合うためには必要なのだろうと考えられます。
それを理解し、その美しさのロジックが見えてきたら、日本独特の美しさを表現する味づくりができるはずなのです。