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常念岳(じょうねんだけ)/2,857m(百高山・第45位)
公開日:2007年8月13日更新日:2021月03月25日
カテゴリ:山歩き
常念岳(じょうねんだけ)/2857m (百高山・第45位)
2007年8月お盆 一ノ沢登山口(林道崩落のためかなり手前より歩く)〜常念岳
前夜車中泊・一泊二日 初テント泊
今回からテント泊。
とは言っても、まだテントを持っていない私は友人ススムのテントに潜り込ませてもらうという卑怯な手を使う。(笑)
来年からマイ・テントを所有する予定。
日曜のお店を片付けた後に、友人宅へと集合し、一台の車で登山口へと目指す。
07年の現在の常念岳の登山口までは途中の林道が崩落しており、車で乗り付けが出来ないので、途中の常念いこいの広場の駐車場に前夜泊という形で乗り入れ、朝方まで車内で仮眠をし、翌早朝から登り始めるというスケジュール。
朝6時ころまでに朝食、トイレを済ませ、荷物をチェックしタクシーにて登山口近くまで送ってもらう。
でも、登山口までの林道が崩落しており、その復旧作業が間に合っておらず登山口から結構手前でタクシーから降ろされ、歩いて林道と崩落現場の迂回路を回り込み登山口に向かう。
これが結構時間がかかった。1時間近く余分に歩いた計算。
今年は晴天で、景色の期待が高まる。が、その反面日焼けが心配になる。
登山口辺りで見えた山の写真。でも、常念岳ではないと後でわかる。
登山口には、トイレがあり沢から引かれた水がトイレ前に流されていた。
トイレを済ませた後にペットボトルに水を補給し、手と顔を洗い、ここから本来の登山のはじまり。
でも、ここまで林道を結構歩いた。・・・。
一の沢登山口というだけあって、沢沿いの登山道を歩いてゆく感じ。
なので、夏場ではその抱負な沢の水のおかげで『水筒いらず』と呼ばれていると、以前ネットで言われていたことが本当なんだと実感。
そして、その沢の水はとても冷たく、火照ったからだに心地よい。
ここまで、王滝ベンチ、笠原沢を過ぎ、ここから急な登りになる胸突八丁。
その前に、前の沢で休憩をとり水分とエネルギーを摂取。
今回はテント泊ということもあり、始めて10キロ近い荷物を背負っての山登り。
距離的にはもう残り半分を切っているが、ここからが正念場だろう。
しんどい急な登りがつづく道の斜面に、きれいな花が咲いている。これはリンドウ?
そして、最後の沢で休憩と今晩と明日の朝までに使う水をここで2L汲み荷物が増える。
2Lの水の重さは小学生でも知っている2キロの重量増だ。
ここからがまたまた急な登りが最後待ち構えており、あとで常念小屋で水を買えばよかったと後悔をするはめに。
最後の水場で11時ころだったが、雲が登りはじめていた。
常念小屋に付くまでに辺りは雲で白くなり、周りの景色が見えなくなってきていた。
そんな見えない周りの景色のなか、急に木がなくなると、アンテナが建っているのが見えたと同時に、いきなり目の前が開けた。到着の常念小屋だ。
すると、今まで雲で見えなかった前の槍方面の雲が流されて、いきなり槍が目の前に飛び込んできた。
実際は写真でみるより高く大きい。この時点で12時半くらい。
ときおりテント場にあるトイレが風の向きで臭う。
仮設のそのテント場のトイレはあまりキレイなものではないので、お金を払って小屋のトイレで用を足した。
テントを張り、少し落ち着いてから、小屋にビールを買いにゆき、景色を楽しみながら、友人との会話が弾む。
トイレのニオイがあっても、やっぱ、山サイコー。
常念岳サイコー。
晴天サイコー。
実はこの夜、写真はないのだが、夜空は満天の星。
こんな星を見たのは仕事の研修でブラジルのコーヒー農園を訪ねた時にみた星空以来。
日本でもこんな星空をみることができる場所があることに感動した。
もちろん雲も低く山の下へと寝床にもどり空一面遮るものは一切ない。
実際にその場へと行った者しかあの絶景は望めない。
やっぱ山はサイコーだ。
そして、この日は運がよく月の出ない新月と流星群がちょうど重なる日。
こんな偶然は滅多にあるものではない。
フリースとレインウエアの上下を着込んでの30分ほどの天体観測。
そんななか、1分にひとつは流れるという凄い数の流れ星に出会えた。
こういう出会いがあるから山はヤメラレナイ。
この山行で見事にやられてしまいました。(笑)
まだ星の残る暗いなか翌朝4時にテントから抜けだして、ヘッ電の灯りを頼りに、常念岳のピークを軽い荷物で目指す。
途中で太陽が東の空から明けてきていた。
雲は寝坊している。雲海の上には日本の有名な山のみ頭を突き出している。
太陽が顔をのぞかせ、槍や穂高も照らされて赤く全貌を明らかにしてゆく。
朝日を浴びてきた。
常念岳のピーク直前で富士山を拝むことができた。日本を代表する山は大きかった。
常念岳のピーク。
槍をバックに看板と友人のススム。
こんなに天気がよいのは私が山登りをはじめてから始めてのことだ。
まだ暗いうちに登りはじめたので、降りてきてから常念岳を眺めることができた。
昨日はずっと雲がかかっており、今回目的の常念岳をみることがはじめて出来た。
やっぱり、夏山の早朝はすごい。この後朝ごはんを景色のなかで済ませ、9時前には昨日来た道を下る。
でもやっぱりもっと時間が許せばその場に居たいと思う気持ちが大きくなる。
お盆休みの夏山登山は友人二人とわたしの計三人で決める登山だからいつかはもっとこんな空間に数日間居る事ができる日程を組みたいと思った。
今は明日からのお店のための仕込み中。
その合間にこみ上げて来る思いに浸りながら写真と言葉を選んで書き込んでいる。
終わったばかりの常念岳登山だったがもうすでに来年が楽しみで仕方がない。
筋肉痛と日焼けで火照った心地よい疲れを残す体が、昨日までの余韻をより美しいものへと変えてゆく。