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良質な酸味とは? 良質な甘さとは?
公開日:2023年9月27日更新日:2023月09月27日
カテゴリ:感覚のはなし
酸味と甘さの理解は、美味しさにとって、とても大きな表現である。
言い換えると、どちら側から見ているのか?
でもあるから、学ぶことで両方からの目線を手に入れることが望ましいのだが、人はそれほど器用ではないので、ほぼ100%の人は偏った感覚で美味しさを感じていることに気づいている。
酸味側から見る甘さと、甘さ側から見る酸味では、印象が変わってくるものであるのだと思っている。
ボクは「酸味側から見る甘さ」を無意識に見てしまっているので、甘さのクオリティに対しての対応が鈍っている傾向にあることにも気づいている。
このように、まずは自分自身の見ている感覚に気づくことが第一歩であるのだと思っている。
すでに四半世紀も偏った感覚で見て感じているので、そこから初めての目線で美味しさを探ることは、とても難しいことは想像がつくことだろう。
だがなぜ、この年になってからも新たな目線で見れるようになりたいのか?
もちろん、良質なバランスの取れた美味しさを提供したいという思いがあることは間違いないのだが、それよりも、「この年になってから、生まれて初めての感覚で美味しさを感じたいから」である。
今まで感じたことのないような感覚で美味しさが感じられるのなら、これほどの幸福感があるだろうか。
人生で初めてのことは、年を重ねるほど少なくなり、特に美味しさに関しては、驚きと興奮を体験できることは皆無に等しいくらいに少なくなっていくのが経験である。
しかし、人は偏った感覚で皆生きているので、学ぶことで、今までの人生で使ってこなかった感覚で美味しさを感じ取れたのなら、何歳になっても新鮮な驚きの感覚で美味しさを感じられることは、ボクは学んでいることで幾度もその体験を経験しているので、またその喜びを体感したいのである。
その学びが、テイスティングなのである。
その第一歩が、自分はどのように偏った感覚で美味しさを捉えているのかを自分で分析をすることから始まる。
そしてこれは、一人では気づけない問題でもあることを理解をしている。