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秋の始まりを感じさせる味づくり。
公開日:2021年8月19日更新日:2021月08月19日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
人の味覚は、季節の移ろいによって「微妙に」その美味しく感じる箇所が変わるんだと思っています。
それは、気温や湿度などの季節の移ろいで、この数日は少し秋めいてきたこともあり、少し余韻の酸味の登場の仕方の設定を変更してあります。
夏は、爽やかな酸味が強めでもいいと考えていますが、夏の終わりまたは秋の始まりでは、その酸味に甘さを持たせた方が酸味が柔らかくなり、それが秋の始まりの訪れを感じるようにも思っています。
これらの焙煎は、この1〜2年でようやく出来るようになった技法で、排気ファンのインバーター制御により味づくりをする設定です。
基本、コーヒー焙煎は釜の持つ熱量(蓄熱)と熱源からの熱量が、コーヒー豆にそれらの熱量が伝わり、その伝わり方が味のバランスとなっています。
ですので、それらの熱量の伝わり方(論理)を焙煎者は考えなくてはならなくて、釜の帯びている熱量と、釜に流れる空気の量とのバランスで、コーヒーは味づくりがなされている。
それらが考えられるようになってくると、ダンパ装置と排気ファンのインバーター制御との使い方が徐々に論理的に使えるようになってきます。
そして、感覚と焙煎の操作とがリンクできるようになってくると、カッピングして、そこから味づくりを行えるようになってきます。
ボクはここまで出来るようになるまで、26年かかりましたが、徐々にコーヒーの味わいの中の焙煎の設定が見えるようになってくるものなのです。
味づくりにおけるバランスって面白いものだなぁと最近は思えるようになりました。
すべては、焙煎における設定で作られているのですから。