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感じ取れなくては良いものを作ることは出来ない。という意味。
公開日:2023年9月13日更新日:2023月09月13日
カテゴリ:良質さのお話。
1年ほど前にローストしたコーヒーを冷凍してあったりする。
それをたまに取り出して、飲んでみたりすると色々と感じることがある。
皆そうなのだけれど、自分の感覚でしか味わいを見ることが出来ない。
だからこそ、過去ローストした豆を冷凍保存しておくことで、その当時の取り組みが見えたり、自分の感覚の成長にも気づくことができる。
感覚が成長していなかったとしたなら、その当時のローストについて同じ評価しか出来ないけれど、感覚が成長していることで、その当時の味づくりにおいての「粗さ」を感じられるのだ。
美味しいか?美味しくないか?
だけで、味づくりをしている場合には、きっと「粗さ」を感じることは出来ないのだと考えている。
ボクは良質さをずうっと探求をしているので、「美しいか?」「そうではないか?」という目線で味づくりを見ている。
なのでこの1年間で、美しさの基準もより明確になってきているのだと自分で気づけている。
美しさを評価しようとした場合には、いろんな意味の美しさがコーヒーの液体の中には登場している。
そこにはまず、液体としての美しさが含まれていて、そして素材のポテンシャルとしての美しさの評価があり、ローストとしての美しさの評価があり、それぞれのバランスの評価がある。
何か1つだけに執着してしまうと他の美しさが見えなくなってしまうので、いろんな意味の美しさを理解をすることと、いろんな目線から感じる美しさを理解しなければならないと思っている。
人は生まれつき偏った感覚でしか感じることが出来ない生き物なので、まずは人によってどこを感じ評価している人なのかを見抜き、自分の中に存在しない感覚で感じている人を見つけること。
そして、その人の感覚の目線を盗むことで、自分の中に存在していない感覚を身に纏うことができるようになるのだと考えている。
なので、ボクの持論は「感じ取れなくては良いものを作ることは出来ない。」という考え方なのだ。
だから良いものを作ることは、とても難しいことで、生涯を通じて取り組むことで、徐々に完成度が高くなるものでもあるのだと信じている。