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仕入れのためのテイスティング。
公開日:2023年9月6日更新日:2023月09月06日
カテゴリ:テイスティング, 感覚のはなし
毎年のことながら、夏の終わり頃から秋が深まるくらいに取引をしている生豆問屋さんから、新規入荷したアライバル・ロットのサンプルが届く。
もうその業者さんとは付き合いが長いので、信頼できる担当者によってふるいにかけられたサンプルを送ってもらっている。
今年は、昨年と比べると平均して10%は値上がりしているので、新豆に入れ替わる年末か年始で確実に販売価格が値上がりすることになる。
だからこそ、きちんと仕入れのクオリティをチェックをして、販売価格が上がったとしてもクオリティは落ちていないことを飲んでわかってもらう努力をするしかないのだと思っている。
先週末に届いたサンプルをカッピングした。
カッピングする際には、当店の影の指南役であるうちの奥さんも一緒にカッピングをする。
一緒にカッピングをして意見が一致した豆を仕入れることにしているのだ。
彼女は生まれつき嗅覚が一般人よりも敏感で、そしてもっとも優れている彼女の能力は香りの情報を分析ができるところが秀でているとボクは思っている。
ある程度嗅覚が敏感な人は数百人に一人くらいはいるとは思うけれど、香りの情報を分析のできる人はプロでもほとんど見られないからだ。
そんなうちの指南役もボクと一緒にテイスティングを学んでいるので、以前と比べて能力が向上してきていて、アロマの情報を脳内でフレーバーに変換ができるようになってきているので、アロマの状態と液体にした状態の2つの状態でクオリティを判断することが出来るようになってきている。
ボクはとてもそこまでは出来ないのですが、彼女の発するコメントから、いろんな学びがあるので、そのコメントから学ぶことをしている。
すると、今回のカッピングで今までぼんやりとしか感じ取れていなかった「クオリティの部分」の見え方が感じられる自分がいることに気づいた。
それと同時に、今までの自分が見ていた景色は「フレーバー」であることにも明確に気づいた。
フレーバーを見ているだけでは、クオリティは判断できないからだ。
だからアロマで見なければならないのは、クオリティなのである。
ここにクオリティを判断することの難しさがあるのだ。
仕入れのテイスティングでは、フレーバーを見るのではなくクオリティを見なければならない。
この言葉の意味はとても深く、そしてそれは最終的なカップの中の液体をイメージさせるものでもあるからだ。
そして、今回のサンプルの中からエチオピアとコロンビアを契約をした。
どちらも価格的には昨年から10%以上も値段が上がっているが、クオリティは価格以上に良質であると判断をしている。