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本当の意味で、良質な素材とは?

公開日:2023年9月3日更新日:2023月09月03日
カテゴリ:良質さのお話。

本当の意味で、良質な素材とは?

ボクが良質だと感じる材料を集めて、お菓子を作るようになって気づいたことがある。
本当の意味で、良質な材料とは「それぞれが寄り添う要素がある」のだと。
口に入れた材料のすべてが、お互いを押し退けることなく、手と手を繋いでいるかのように穏やかでありながら、そのすべての材料の個性はそれぞれを感じることが出来るのである。
だからこそ、それぞれの良質なフレーバーの移り変わりを見惚れてしまうのだ。
これは、今回初めて良質な材料だけをすべて揃えてお菓子を作ったので、そこに気づけたのだ。

だからこそ、そういう材料を選ぶことが「仕入れ」で求められることなのだと気づいた。
それを選ぶためには、感覚で「それ」を感じられる必要があるのだ。
そして、感覚で「それ」を感じられるようになるために、感覚を磨いていくことが重要だということ。
それがテイスティング・スキルなのだ。

そして、ボクの本職でもある焙煎も同じで、仕入れで選んだ生豆とローストがお互いに寄り添えるものが、ボクが本来選びたい仕入れになるのだということに気づいた。
こういった素材は、あるようでなかなか無いのだ。

だからこそ、仕入れの目利きは、とても重要な役割となる。
そして、それぞれを繋ぐ役割のロースト(焙煎)も、仕入れと同じくとても重要な役割なのだ。

この2つの技術的な仕入れとローストが揃うことで、ローストは素材を引き立て、素材はローストと寄り添うことが出来る。
材料だけが良質だったとしても、ローストが良質でなかったら、材料とローストは寄り添え合えない。
だから良質な美味しさには、技術が必要不可欠なのだ。

これは、コーヒーだけでなく全ての食に当てはまることでもある。

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