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プラカップの凄さ。(COEブラジルをプラカップで飲んだ!)
公開日:2023年8月31日更新日:2023月08月31日
カテゴリ:抽出のはなし。, 良質さのお話。
先日開催したテイスティングの講座で、COEブラジル#17を試飲用のプラカップで飲んで驚いた。
同じ豆をお店で、同じミルで、同じお水を使用し、同じ浸漬式でお店の磁器のコーヒーカップで飲んだ時と印象が全然ちがい、ワンランク上のコーヒーに感じたからだ。
今までスペシャルティコーヒーをいかに良質にするかを取り組み続けてきて、改めてカップの違いによる良質さも考慮すべきところであるのだと認識をしなければならない。
まずテイスティング・スキルを学び、飲み比べた場合に、どちらが良質さが登場しているのかを判断できる感覚を培っていることが前提で話をしたい。
感覚で良質さが見えていない限り、人は好みで判断してしまうためである。
そうした場合に言い続けていることは、まずは生豆のポテンシャルが大切で、その次にその生豆のポテンシャルをローストが活かしてあげることが大事である。
生豆のポテンシャルとローストは相互関係にあることが望ましく、生豆はローストによって活かされ、ローストは生豆によって活かされるものこそが本当の意味で良質なものである。
そして、その次に必要な要素は、そのような良質なローストされた豆を活かす抽出が重要になる。
どのようなミルで粉砕をするのか?これが大事である。
良質な液体の条件は、まずは液体の良さである。
なので液体の質感と量感が素晴らしいものになるミルを使うことである。
そのためには、同じ豆を使用して、ミルの違いを実際に飲み比べないことには、ミルの違いによる液体の質感・量感の良さを判断することはできないので、ミルによる液体の質感・量感のよさを判断するためには、実際にそのミルで粉砕した粉で抽出して飲み比べるしか方法はない。
その次に、水の違いによるクリーンさやアシディティの登場の仕方、そして液体の質感と量感の良質さを判断することが重要である。
液体の良さである液体の質感の違いは、水を飲み比べればなんとなくは理解ができるものであるが、コーヒーを抽出した場合のクリーンさとアシディティの登場の仕方は、フレーバーの質につながっているので実際に抽出してカッピングしない限り解らないので、ここでも同じ豆を使用して、そして同じミルで、同じ粒度で、同じ体積量で粉砕した粉末を使い、水の違いだけでカッピングして判断する必要がある。
この時、抽出法はカッピングする場合と同じカッピンググラスを使った熱湯で4分間漬け込む抽出法で取り組むことが重要である。
ここまでは、これまでも幾度となく解説をしてきたことだと思う。
そしてここからの解説が面白いところ。
コーヒーを実際に飲む場合に使うカップのこと。
実際、カップによっても味わいが変わってしまう。
コーヒーの場合に、良質さが一番登場するカップが、プラカップであるのだと今理解をしている。
当店で使用している磁器のカップよりもガラスのカップが良質になることはこれまでも伝えてきましたが、それよりも良質さが楽しめるのがプラカップです。
いろんなテイクアウトのドリンクで使われているあのプラカップを自宅に帰って洗って取っておいて再利用してみてください。
すると、素材のポテンシャルとローストのポテンシャルが手に取るように見えます。
ボクの憶測なのですが、カップの違いによる液体の質感の違いには、液体の分子の配置の状態が関係しているように考えています。
陶器よりも磁器、磁器よりもガラス、ガラスよりもプラといったように、カップ自体の液体が触れる表面の凸凹に液体が入り込むことで、本来の液体の分子の配列が崩れてしまうことで、液体の質感が変わってしまうのではと想像をしています。
と考えると、カップ表面の凹凸が出来るだけツルツルのものが液体の質感を良くするカップになるのだと推測。
ただ、どのような液体を楽しむのかで、カップの素材を変えることで、その楽しみ方は変えられるので、どのようなカップを使うのかは、最終的に目指すトータル的な味づくりを考えた上で使うことで、いろんな意味でワンランク上の味づくりになるのだと考えることができるようになる。
ただしプラカップでも生分解性プラだと熱に弱くて溶けてしまうので、生分解性プラの使用の場合は冷たいドリンクに限ります。
これは液体のポテンシャルを判断できるということなので、お酒を飲む場合でも応用ができるはずです。
残念ながら、ボクはテイスティングを学んだことで、アルコールの質がわかるようになってしまったがために一般的なお酒のアルコールが苦手になってしまい、もう一般的なお酒を美味しく感じないのでお酒を飲むことが無くなってしまったので、プラカップでビールなどを飲むことは無いのですが、お酒を好きな人は試してみてもらえればと思います。