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焙煎士の味づくり。
公開日:2023年8月23日更新日:2023月08月23日
カテゴリ:お菓子づくりのこと, 焙煎の味づくりのこと。
ボクは焙煎士の役割の仕事内容が、生涯継続して行けるボクにとってはとても楽しい仕事だと思いその道を選んだのだと思っている。
まず、焙煎士は裏方の仕事でもあり、そこが味づくりにおいての根幹の部分でもあることがとても面白みがある。
焙煎士は仕入れを行う。
数多あるコーヒー生豆の中から、どういった基準で、何を仕入れるのか?
その仕入れは、そのままお店のコーヒーの味となるので、その基準をしっかりと持っていることが、そのお店の基準になる。
そのためのスキルが、仕入れのためのテイスティングである。
そして、焙煎士の本業としてのロースト(焙煎)の仕事は、仕入れたコーヒー生豆をどのように味づくりをするのか?である。
初回のローストからその豆のポテンシャルを見抜き、その豆の持ち味を活かす味づくりはまず無理で、何回もローストしながら、そのコーヒー豆の持っている個性を見てあげ、そのコーヒー豆の持ち味を最大限活かせれるようにローストに取り組むことになる。
ボクがスペシャルティコーヒーを取り扱う専門店を選んだ背景にあるものは、コモディティコーヒー(先物市場で取引される一般的なコーヒー豆)ではローストを活かせないけれど、スペシャルティコーヒーではローストの味づくりを極限まで活かすことが出来るからだった。
この意味を理解できるようになったのも、つい最近のことである。
そのためのスキルが、ロースト目線のテイスティングであり、これは仕入れのためのテイスティングとはまたスキルの目線が異なる。
これらのスキルを会得できたからこそ、次は焙煎士目線のお菓子づくりを楽しもうと思えるようになった。
焙煎士目線は、材料の仕入れがすべてであり、その材料どうしの組み合わせによる味づくりである。
当たり前かもしれないけれど、その意味が理解できる作り手は、素材をしっかりと選ぶことが出来る人である。
意外と素材のフレーバーの成り立ちを感じられなくてはならないので、ボクもこれがわかってきたのは、この2~3年であると感じている。
これらがわかってこれないと、美しさとか、綺麗さを味づくりで表現することが出来ない。
なので、ボクは焙煎士という道を選んでよかったと思っている。
それらを感じ、そしてそれらを表現することが出来るようになってこれているからである。