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技術の意味する幅は広い。
公開日:2023年8月20日更新日:2023月08月23日
カテゴリ:抽出のはなし。
本当の意味で良質なコーヒー豆の仕入れができるようになるのは、かなりの経験値と感覚が伴ってからになる。
なので、そのためにもロースト技術が必要で、あまり芳しくないフレーバーが登場してしまうコーヒーを勘違いして仕入れてしまった際に、その芳しくないフレーバーを登場させないようにしながら、味を整えて美味しくするというローストの技術が必要になるのだ。
それが、「飲み易い」と言う美味しさを作り出す味づくりの技術なのだと考えていて、コモディティコーヒーを使う場合のローストには、この飲み易くするという技術を会得する必要がある。
この「飲み易くする」と言われる技術とは、いわゆる「抜く」という手法になる。
この「抜く」と言う手法にも色々とあり、時間をかけることで抜くのか、それともダンパ装置で抜くのか、インバーターで抜くのか、ガス圧を下げることで抜くのか、「抜く」と言う行為は、いろんな抜く技術が存在し使われている。
その「飲み易さ」と言われる美味しさと、スペシャルティコーヒーを使うことの素材のポテンシャルが活かされた「美しさ」と言う美味しさは別物であるので、当然ながらローストの技術においては真逆の取り組み方となる。
ただしほとんどの場合は業務でローストは取り組むものなので、今の時代はコモディティかスペシャルティかのどちらかの素材をメインで使っている業務がほとんどなので、ロースト技術もどちらを使うのかが分かれるものであるのだと思っている。
あと一般消費者も飲み易いものが良いものだと混同している人たちがとても多いので、技術のニーズも「飲み易いもの」を作る技術の方が重宝される時代であるように思っているが、本来は「飲み易い」と「美しい」は別物であり、その違いは反対に位置するものであるが、当然ながら美しいものを作ることは難しく、だからこそ飲み易いものを作るショップが多いのだと思っている。