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爽やかな酸質こそが素晴らしい。
公開日:2023年8月12日更新日:2023月08月12日
カテゴリ:テイスティング, 良質さのお話。
昨日「明るい酸味」のことを書いたが、その「明るさ」はローストによって表現されるものでもあることを知っている人は少ないだろうと思っている。
もちろんコーヒー生豆のポテンシャルがあってこそになるのだが、ローストのポテンシャルの部分でもあるのだ。
だから、生豆の仕入れの目利きとロースト技術が合わさって、素材はローストにより活かされ、ローストは素材によって活かされてひとつの味づくりとなっているのだ。
そこで少し解説をすると、良質な明るい酸味とは、まずは素材のポテンシャルとして「フルーツの酸質」があることが求められる。
元々コーヒーは「コーヒーフルーツの種子」であるので、種子由来の植物のフレーバーが多く登場してしまう傾向にある。
しかし、生育環境(高地栽培)や生産処理が良いと種子由来の植物のフレーバーもポジティブになり、フルーツの酸質が育ってくるので、そのようなクオリティのコーヒーだけがスペシャルティコーヒーと命名され区別され流通することが許される認証コーヒーとされる。
そのようなスペシャルティコーヒーの中でも、とりわけアシディティ(酸味特性)の項目の評価点数が6.5point以上(COE評価基準)になると、フルーツの酸質が素晴らしいとされるので、そのようなランクになるコーヒーはTopスペシャルティを名乗れるランクになるので、フルーツの酸質が良質に備わっているため、ローストでもフルーツの酸質をきちんと評価されるように味づくりをしてあげることがそのコーヒーを活かす味づくりであることは理解できることだろう。
なので、素材を活かそうとするローストの場合では、どのような豆でもローストを浅くできる訳ではないのだ。
仕入れとローストは密接に繋がっているので、仕入れの目利きは表現においてとても重要なポイントになっている。
だからこそ焙煎士は仕入れの目利きを学ぶために、フルーツの酸味の理解は必須課題となる。
どのような酸質が良質で、どのような酸質が劣るものであるのかは、フルーツで学ぶと理解が早く、スペシャルティコーヒーの定義の中でも記載されるように「爽やかさ」のある酸質が最も良質なのである。
と言うことは、「爽やかさ」とはどのような状態を示す印象なのかを理解することで、上質な酸質が選べれるようになるし、そしてローストで爽やかな酸質を表現できるようにもなる。
意外ときちんと香りの情報を細分化できないと、爽やかさの印象を理解することも難しいのです。