読み物。
Blog
焙煎の設定でフレーバーの景色を変えている。
公開日:2021年2月21日更新日:2021月03月24日
カテゴリ:テイスティング, 焙煎の味づくりのこと。
ここ1〜2週間くらい前から、ミディアム〜ハイローストのローストしたコーヒーでも「酸味由来のフルーツ感」が登場するようになった。
実際には、今までの焙煎ではしていなかった設定を増やしたことで、そういう味づくりとなったのですが、でも大切なのは「元々、酸味が背景には登場していた。」ということが大切なことなのだと思った。
それは、どういうことなのか?というと、背景にはフルーツの酸味が登場していたのですが、表面的な部分が「別の重たい味わい」というフィルターが1枚あることで、その背景に登場している酸味が「見えないでいた」のです。
分かりづらいと思うので、分かり易く説明をしますと、遠くまで見渡せる小高い丘に立ってるとします。
本来なら遠くに富士山が見える場所なのですが、その時は今の季節のように春霞で、全然そこに見えるはずの「富士山」が霞んでしまって見えていないので、すぐ手前にある街や手前の山くらいまでしか見えていませんでした。
富士山が「フルーツの酸味」で、春霞が「表面的な重たい味わい」の部分です。
今回のローストで、表面的な重たい味わいの部分(春霞)をクリーンにしたところで、背景にフルーツの酸味(富士山)が存在していなかったとしたなら、春霞を強い風で飛ばしたところで、富士山は見えないということです。
なので、大切なのは「背景にフルーツの酸味が存在していること」と、「表面をクリーンにする」という2つの設定が大切なのだということです。
これをスペシャルティコーヒー用語で言うのならば、ローストによって「明るい酸味」と「透明感」を登場させるということです。
これが意外と高度な技術なのだということです。