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香りを辿る能力は、香りを細分化することができるようになることから。
公開日:2021年8月6日更新日:2021月08月06日
カテゴリ:感覚のはなし
世の中の本質とは、当たり前のことのようなものかも知れないと思い始めている。
当たり前のことだからこそ、誰しもそれを考えようとしなかったり、当たり前のことだからこそ、それを分析しようともしない。
その当たり前のことを、分析して、論理的に考え、それを検証することで成り立ちや仕組みが理解出来てくるものなんだと思えてきているのです。
ただし、それは当たり前のことなので、やっぱりそれに気づくことが難しい。
ニュートンが「リンゴが落ちる」という当たり前を、当たり前だと思わずに「なんでだ?」と考えたからこそ、仮説を立て、その仮説を論理的に考え検証した結果、今では皆がそれを知っている。
香りの世界の嗅覚の研究は遅れていると言われている。
だから食は味覚であると思っている人がとても多い。
そう思っているので、その情報は大脳新皮質で処理されてしまうのだとボクは思っている。
そのルートは嗅覚以外の感覚で情報が伝わるルートと同じ情報処理をしているルートなのです。
嗅覚の本来の素晴らしさは、大脳辺縁系であるルートでその香りの情報を処理されることで、その香りの情報は本能や感情に働きかけられるようになるのです。
だとするならば、どういうことをすることで、大脳辺縁系で香りの情報は処理されるようになるのか?
または、どのようなことをすることで、大脳新皮質で香りの情報が処理されてしまうのか?
それらのことがわかってくることで、本来の食の美味しさは、感情に働きかける大脳辺縁系のルートを通るようになることで、同じものを食べたとしても、それを感じる美味しさはまったく違ったものになるものなのだと考えられるのです。
そして、ボクが取り組んできたコーヒー・テイスティングにより、ボクの食の感じ方が変わってきていることに気づいている。
そのことを分析してみると、どうやら「香りを辿る能力」が開眼してきたことで、食の感じ方が変わってきたのだと考えている。
香りを辿る能力は、コーヒーで例えるなら、コーヒーのフレーバーの中から、これはローストのフレーバーであることや、これは酸味の香り、これは素材の甘さの香り、これはオイル分から登場した香り、ペーパーフィルターを使っている場合は、ペーパーフィルターから登場するフレーバーなどを感じ取れる能力のこと。
この香りを辿る能力が開眼すると、牛乳のエサの香りを辿ることが出来たり、卵やお肉のエサの香りを勝手に辿れるようになってくる。
ボクが考えるに、この能力は「香りをカテゴリ別に分類できるようになる」ことで身に付く能力であると分析をしている。
だとするならば、「香りをカテゴリ別に分類できるようになる」ことができるのであれば、誰でも香りを辿れるようになるのですが、そのためには「香りの情報を細分化」することが出来なければならないことにも気づいている。
多くの人たちが、香りを辿れないのは、「香りの情報を細分化」することが出来ないからだと言い換えることができる。
なので、まずは「香りの情報を細分化」することができるようになることで、いろんな理解が育ってゆくことだと香茶屋では考えているのです。
そして、それらのことができるようになってくる過程で、香りの情報は大脳辺縁系で処理されるルートを通るようになるのではなかろうか?と考えているのです。