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脳で良質さを理解するために。
公開日:2023年8月2日更新日:2023月08月03日
カテゴリ:感覚のはなし, 良質さのお話。
先日、仕入れの際のサンプルのカッピングのことを書いた。
仕入れ目線のカッピングとローストの味づくり目線のカッピングの違いがあることを説明した。
これは、どちらも脳で感じている情報なので、カッピング・スキルが上達してくると、脳での感じ方が変わってくるのだと理解している。
そうなのだ。
最終的に脳で詳細を感じるためにスキルを磨く必要があるのだ。
言い換えると、詳細を感じることが必要なのだと思う人はカッピング・スキルを習得すればいいが、詳細を感じることが必要だと思わない人は今のままの生活で何ら不自由無いので学ぶ必要性が無いことになる。
だからしっかりと学んでいる人たちと、何も学んでいない人たちの間にはクオリティという美しさに対する目線の乖離ができてしまう。
好みを見ているのか?それとも美しさを見ているのか?という目線の違いなのだ。
ちなみにローストでの味づくり目線のカッピングが出来ていないと、ローストの味づくりも儘ならないので、良質なローストを施すことはまず不可能だと考えている。
ローストにおけるクリーンさを登場させるためには、ピンポイントの設定を見つける必要性があるのだが、その設定はローストにおけるダメージを認識できている状態で、設定をローストにおけるクリーンな状態へと導ける感覚が問われるからだ。
これは抽出する側にも、飲む側にもこのスキルが備わっていれば、ローストでの味づくりだけではなく、料理の味づくり、ケーキの味づくりなど、味づくりにおけるバランスが感じられるようになるスキルでもあるのだと今なら言える。
ただ、ほとんどの人たちはフレーバーの情報を細分化できないので、これらのバランスを見ることができない。
では、何のバランスを見ているのか?
それは、口内で感じる情報の味覚寄りのバランスを見ていて、香りの情報を含めたフレーバーのバランスを見ている訳ではないのだと認識をしている。
これは、フレーバーの情報をカテゴリ別に細分化できている人ならば、脳でカテゴリが異なる情報を認識できるので、最終的に脳内にインプットするフレーバーの情報をカテゴリ別に細分化することで理解できる情報になるのだと言えるが、ほとんどの人たちがこのスキルを使えないことの問題には、フレーバーの情報を細分化することの難しさがあるからだと認識をしている。
ボクが20代の頃に思ったように、「良いものを作れるようになりたい。」や「良いものが分かるようになりたい。」と真剣に考えた場合には、脳で良質さを理解できるようにならない限り、それを作ることは不可能なのだ。
そして、これらはトレーニングによって理解できるようになるものでもあることも経験から知っている。