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技法とは何のためにあるのか。
公開日:2023年7月29日更新日:2023月07月29日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
実は山から下山をして東山魁夷美術館に寄ってきた。
昨年他所の美術館で見た「白夜」と同じ構図の「白夜」が展示されていたのですが、その印象の違いに驚いた。
魁夷さんは完成させるまでにいろいろと準備をしてから書き上げるので、もしかすると昨年見たものはその準備段階のものであるか、もしくは版画の作品なのでは?と思ったのだ。
しかし、その同じ構図の作品なのだが、受け取ることになった感情は昨年のものとは全然違う印象だったのだ。
昨年感じた印象は、冷たさや寂しさが背景にはあり、そして音も無い静寂の静けさを感じた。
しかし、今回見た作品では、そこまでの冷たさや寂しさは伝わらず、優しさや白夜の日の温もりと静けさが感じられたのだった。
その違いはなんなのか?
構図は同じなので、彩色の仕方だけなのだと思っている。
そこが技法の部分でもあるのだと。
何を伝えたいのかで、表現のための技法は変わる。
今回、そこが感じられたことはとても大きなことなのだと思っている。