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和音という考え方。
公開日:2023年7月7日更新日:2023月07月08日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
これはローストの話である。
これは最近使うようになった技法であるのだが、今までは美しい主旋律を表現するためにピンポイントの設定に取り組み、主旋律のような彩色を施すことを意識して味づくりをしていたのですが、それでは厚みが登場しない上に、複雑味を感じ得ないことに気づいた。
複数の彩色をバランスを考慮しながら同じ景色の中に複数の色彩が印象の異なる彩色を施せれば、それらが混じり合わさることで心象風景を登場させることが出来る。
その場合に、一つの彩色ではどちらかに偏った色が登場してしまうのに対し、もう一つの異なる彩色で印象を整えるという技法である。
その考え方が、「和音」と言う考え方になる技法なのだと気づいた。
和音は、2つ以上の音の彩色を混ぜ合わせることで、いろんな叙情の音色を含ませ、より心に響かせるための技法なのだと思っている。
ただし、その合わせる2つ以上の音の彩色の混じり合い方(響き方)に美しさが宿っているものが良いものなので、きちんとその彩色の混じり合いのバランスを見極めなければならないものである。
ローストの場合で美しさが問われる彩色は、やはり透明感があるのに艶々でしっとりとした粘性を感じる彩色である。
そしてこの技法を使うためには、ダンパ装置とインバータ装置の両者を使うことで表現をすることになるのだが、技法の動作だけを見ていると何をやっているのかと疑問が浮かばれるような操作を目にすることになるが、実際にカッピングしてみると異なる彩色が合わさることで和音を思わせる複雑で情緒的な印象を持つ彩色になっていることが感じられることだと思う。
非凡さを感じられるものが、良質なものでもあるので、この技法は良質なローストの一端であるのだと言える。
技法と表現は繋がっている。
なので、共通点が探せられる人ならば他業種の技法からヒントを得て、いま取り組んでいるものに当てはめることが出来るのだと考えている。
そのために、いろんなものに興味を持つことが良いのだと言うのだと思っている。