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活かされるという味づくり。
公開日:2023年6月25日更新日:2023月06月25日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
ローストによってコーヒー生豆は活かされている。
そう思えるようになったことで、生豆が活かされるためのローストに求められるのは何か?と考えた場合に必要になることが分かってしまった。
それは、感覚で味づくりをすると言うとてもシンプルなことだった。
これは以前からボクが言っていたことでもあるのだけれど、以前は無意識の中で理屈や理論に囚われていて「感覚で見る」ということが純粋にできていなかった。
そこに難しさがあるのだと言える。
特にローストをしていると理論が大切であると考えがちになる。
今の時代の流れの中でローストをしていると、化学的な根拠を背景に理論立ててローストを考える傾向がとても強いのだ。
確かに、そこを知っていることはとても大事なことではある。
ローストでの成り立ちの部分は、そこから入って学ぶことで、ローストが見えてくるからだ。
しかし、そういった理屈や理論でローストをしていると気づくことがある。
上手にローストができたとしても、体が心が感動する美味しさをローストすることができないことに気づき始めるのだ。
そして、何かが間違っているんじゃないかと考え始めることになる。
ただし、純粋な感覚の使い方を覚えなくてはならない。
それは、再現性というキーワードを考えた場合の感覚でローストをするという考え方をだ。
偶然美味しくローストができたとしても、それを再現できなくてはプロとしては意味がない。
再現できるように感覚でローストをするというプロセスがとても重要になるのだ。
それが焙煎記録というレシピになる。
簡単そうだけれど、ここまで辿り着くまでに27年もかかってしまっている。
そのためには、知識と論理が背景にあることが前提で、感覚によって味づくりをする。
これが、とりあえずたどり着いた心に届くという味づくりに求められることだと思っている。