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コーヒーショップを選ぶ際の味づくりのポイントは?
公開日:2023年6月21日更新日:2023月06月21日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
コーヒーのローストの課題の一つに、「植物系のフレーバーの登場」が挙げられる。
ボクの分析によると、このフレーバーは種子由来の植物性のフレーバーなのだが、ローストのフレーバーと一緒に登場してしまう性質があるように考えている。
なので、ローストのフレーバーを登場させないようにすることで改善できる問題なのだと考えているが、言うほど簡単ではないことは、ローストをする人間なら知っている。
ローストをクリーンにしていくと、甘さは登場しづらくなっていき、そして粘性も同時に登場しなくなっていく。
いわゆる「飲みやすい」と言う傾向になってしまう。
なので、ローストをクリーンにするのだけれど、しっかりと甘さと粘性を登場させることは思っている以上に難しい課題になる。
そしてその問題は焙煎機選びでも解決できたりする。
どのような焙煎機を選ぶのか、という焙煎機本体の蓄熱による熱伝導率で、植物系のフレーバーの登場は抑えられたりするのだと思っている。
特に、当店のようにスペシャルティコーヒーを専門で取り扱うお店と、コモディティコーヒーを主に取り扱うお店では、味づくりの考え方が違うので、どのようなコーヒー豆を主に使うのか、どのような味づくりをしたいのかで焙煎機選びも慎重に考えなければならない。
当店で取り扱う国産の焙煎機は、外国製の焙煎機とちがい使われている鋼材の性質が違うと言われているのでそれぞれの焙煎機で蓄熱性が異なる。
あとは焙煎機のシリンダーの下に熱源があるタイプの「直下式」と、焙煎機の外に熱源を置く「熱風式」では豆に伝わる熱伝導のちがいにより、根本的に味づくりが異なる。
それらの違いによって蓄熱と熱伝導が異なってくることで、登場するフレーバーもそれぞれの焙煎機で特徴が生まれる。
当店が使用している国産の焙煎機だとどうしてもロースト系のフレーバーが登場しやすい傾向にあるため、植物系のフレーバーが登場しやすい傾向にあるのだと思っているが、その反面、直下式の焙煎機はローストの甘さが登場しやすく、そしてロースト後のフレーバーが目減りしにくい傾向にあると思っている。
しかし、ダンパ装置とインバータ装置を使うことで、その植物系のフレーバーの登場の仕方を技術的に抑制することもできるようになる。が、技術的になかなか難しさがある。
このように、焙煎機の特徴によって味の特徴が変わる。
が、ロースト技術を身につけることで、味づくりはコントロールすることが可能となる。
ショップごとに味づくりの考え方が異なるため、HPなどで、そのショップの味づくりに対する考え方などを感じとり、使用している焙煎機や抽出の考え方などから自分に合うと思うショップでコーヒー豆を購入すると失敗は少なくなると考えている。
なので、コーヒーショップの選び方としては、
1・どのような焙煎機を使用しているのか?
2・スペシャルティコーヒー専門なのか、コモディティコーヒー専門なのか?
3・ローストによる味づくりの考え方はどうなのか?
4・抽出の考え方は、どのような考え方なのか?
これらを参考にHPで取り組み方を確認すると、おおよその味づくりの傾向を掴むことができるようになる。