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言葉の持つ意味。
公開日:2023年6月22日更新日:2023月06月22日
カテゴリ:ふと思ったこと。, 感覚のはなし
先日、テレビ番組を見ていた時のことだった。
オーストラリアから来日した外国人が、日本の食を食べたときのコメントが、
beautiful!
だった。
[ beautiful ]の意味もいろいろとある。
検索をすると、「すばらしい. おお、美しいぞ. 美しい. 素敵ね. 美人さんだ.」などと出てきた。
ものを食してのコメントなので、「素晴らしい、美しい」などがその解釈なのだと思うのだが、[ delicious(デリシャス) ]ではなくて、ビューティフルとコメントしていたことがボクは素敵だと思った。
日本では、食レポのようなコメントも「香り」のコメントよりも、どちらかと言えば口の中で感じている味覚的な表現をする人たちがとても多いのに対し、外国人は香りのコメントも結構しているように思う。
それは、言葉の「単語」にも表れているように思っていて、立ち上がる鼻で嗅ぐ香りを「スメル」とか「フレグランス(アロマ)」と呼ぶのに対して、口の中で感じる香りを「フレーバー」と呼び、対象になる単語が異なる。
日本語は、鼻で嗅ぐ香りも口の中で感じる香りも同じ「香り」となるので、コメントからその対象がアロマなのかフレーバーなのか分かりづらさがあるのだ。
テイスティングを学んでいると、言葉の持つ意味が適正であるかどうかは結構重要だと考えていて、最適な言葉(単語)を選んでコメントをしたいと考えるようになるものだ。
そう考えた場合に、選ぶ単語ひとつで人の感情を動かせるものであることに気づけるようになるし、自分自身もそうなりたいと思うはずなのだ。
来週月曜日(6/26)は、毎月定期的に開催しているテイスティング講座「フレーバーの景色を見るための講座」をビオあつみエピスリー浜松店で開催しておりますので、興味がある方は参加してみてください。