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公開日:2023年6月7日更新日:2023月06月07日
カテゴリ:お店のこと。
遠い昔の話しなのだが、もうかれこれ20数年前の話。
とある東京の自家焙煎店にローストの話を伺いに、その当時の会社の社長さんと、その当時製造部を任されていたボクと二人でコーヒーの話を伺うために、東京の有名な自家焙煎店にお邪魔させていただいたことがあった。
その当時はまだボクはカッピングの本質も理解できてなくて、お邪魔させていただいた時に出してくれたコーヒーの良さが何も分からなかった。
そのコーヒーの印象を今でも覚えていて、「どこが良かったのだろうか?」と思い返すことがある。
そして、先日のローストの可能性を見つけたコーヒーをカッピングした際に感じた「酸味の艶やかさ」が、そう言えばあの時出してくれたコーヒーに重なることを、いま思い出した。
しかし、あの当時に出してくれたコーヒーは、酸味の艶やかさは登場していたのですが、その酸が胃腸を刺激する酸質も登場していたために、その良さが理解できなかったのだと今になってようやく分かった。
ただし、酸の質からすると、艶やかな酸質はレベルが高いのだが、その酸質を重たくするのではなく、明るく爽やかな酸質にしなければならないことも、今なら理解ができる。
人が美味しさを感じる場合には、すべてのポイントで良質さを表現しなければならないために、難しさがある。
まずは、感覚で良質さを理解すること。
その次に細分化された味づくりのひとつひとつで良質さを表現することが求められる。
感じられることと、表現することは別の問題なので、その両者を学ぶことが、良質なモノを作るためには必要不可欠な問題なのだと今なら理解ができる。