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可能性を感じとる。
公開日:2023年6月3日更新日:2023月06月03日
カテゴリ:テイスティング, 焙煎の味づくりのこと。
東山魁夷美術館に出向き感慨に触れ、カッピングすることでローストを見つめ直している。
そして、改めて2つの装置(ダンパとインバータ)の使い方とその特徴を見直すためにカッピングしている。
よく言うのですが、頭の中で考えていることのほとんどのことは的外れである。
要は頭の中で考えた理屈というものは、検証がなされていない理論であり、現実の味の成り立ちからはかけ離れた妄想のたぐいのものであるのだと経験上そう思うようにしている。
なのでその理屈を実際にローストし、そしてその結果としてカッピングをして感覚によって検証しなければならないのだ。
これが一連の流れとして取り組むことで、その理屈の理論が正しいのかを検証できるのだ。
しかし、話はそれほど簡単なことではない。
実のところ、そこまで完璧なローストを施すことが出来るはずがないからだ。
なので、検証する箇所というのは、「可能性」を見極めることとなる。
そこに難しさがあるのだと言える。
完璧は誰が見ても理解できる美味しさであるのだけれど、可能性を見ることは訓練が必要だからだ。
そして、ローストのとある設定の可能性を見つけ、そしてそれが見つかったのなら、そこから微調整を施すことで、思い描く味づくりに近づけていくという作業に取り組むことになる。
なので、まず見つけなければならないものは「可能性」であると言えるのだ。