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2つの「美」の存在を、どちらから見ても美しいものを表現する。

公開日:2023年6月9日更新日:2023月06月09日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。, 良質さのお話。

2つの「美」の存在を、どちらから見ても美しいものを表現する。

コーヒーにおけるローストの意味とは、なんであるのか?
良質なスペシャルティコーヒーにおける、そのコーヒー豆を使う意味とは、なんであるのか?
ボクが目指す味づくりにおいて、その2つの存在とその表現は、とても大きな意味を持つ。

これまでの考え方からすると、その答えは「酸味の表現」であることは間違いない。
ただし、それだとするならばローストの存在とその意味はなんであると言うのか?

書道の世界には、「余白の美」というものがあると言われている。
墨汁で描かれた部分だけでなく、残された「塗られていない箇所」である「余白」の部分の美しさというものがあるというのだ。
書道における2つの美の存在は、その2つを意識しなければ到達しえない美であることを意味している。

だとしたならば、もちろん素材を活かす味づくりは必須課題だと言えるが、そこにローストの「美」という側面から見た「美」も施されているものがコーヒーという飲料においての美しさなのではないのかと思ったのだ。
書道の2つの美と同じ存在が、スペシャルティコーヒーを使うことの素材の「美」とローストの「美」の2つであると言えるのだと思うのだ。
それを、どちらから見たとしても「美しい」と言う印象を与える味づくりこそが、美しいのではないのか。

そのためには、どちらからも見ることが求められ、そしてどちらから見ても違和感がなく、そして美しいもの。
そういった意識で味づくりをしていく必要があるのだと思うのだ。

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