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美しさのその先にあるものは。
公開日:2023年6月1日更新日:2023月06月01日
カテゴリ:感覚のはなし
改めて現在のローストの技法と5年前のJCRC2018の予選のローストの技法を照らし合わせている。
それは、あの時のローストの味づくりの印象が脳裏にしっかりと残っているからだ。
5年前の稚拙さが残る設定ではあるのだけれど、その当時は周りから影響を受けたくなくて情報をシャットアウトしてローストに取り組んでいたので、時代の流れの中には無い技法を使い自分なりの良質さという解釈のもとでローストを考えていたので、改めて凄いところに辿り着こうと模索をしていたのだなぁと自分ながら感心をする。
そして、融合させるのではなく洗練させるのでもなく進歩させることが大事なのだと、いま思っている。
あの技法は、今の流れの中に身を置く人には絶対に辿り着けない技法なのだと感じている。
それくらいありえないことをしている。
そして、一旦外に目を向けてしまうと見えなくなってしまうものなのだと、今ならそう思うことができる。
だから、自分の感覚を信じるしか道はないのだ。
昨年、過去の技法の考え方と現在の技法とを融合させてみようと考え取り組んできた。
そして、改めて思うことは、その当時考えていたことを思い返さないといけないのだと、いま思っている。
どうやって、あの設定の考え方にたどり着けたのか?
そして、美しさを表現するために思いつくまま設定の数が増えているが、今度は減らすという作業をしていく必要があるのだと、いま思っている。
美しさを目指して味づくりをしてきたけれど、次は今までの経験と知識を持って、感情により訴えるための味づくりを模索するタイミングなのだと気づいている。
魁夷さんが水墨画を描こうと考えたように、チャレンジする気持ちは自分を高めてくれる。
美しさは感嘆はあっても、印象に残ることは薄いのだと感じ始めている。
ずっと心にその印象を留めておくためには、美しさのその先にあるものを表現する必要があるのだと。
そこを目指すために、意識を変えなければならない。