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味づくりのアプローチの方法。
公開日:2023年5月25日更新日:2023月05月25日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
いつ頃から、今のようなローストの味づくりのアプローチをするようになったのだろうか?
そんなことを、ふと考えてしまった。
今のローストの味づくりは、ロースト後のカッピングから焙煎の設定の意味を探るという仕方。
なので、ローストする前にすべての設定を決めて、その通りにローストをする。
そして、ロースト後のカッピングから、設定を修正し次回のローストに向けて設定を決める。
この繰り返しの作業をする。
しかし、当たり前のことながら、カッピングでフレーバーの情報から設定の意図を把握できていないことには、このローストをすることはできない。
なので、このローストの手法を使えるようになったのは、いつ頃からだったのかなぁと思ったのだった。
振り返ってみると、転換期はローストの競技会で決勝に進めたことだったように思う。
ローストの競技会の決勝では、予選とちがって「ローストプラン」の提出が求められていたからだった。
大会側から用意されたコーヒー生豆をどのようなローストを施すことで、どのようなアシディティ、ボディ、スイートネス、フレーバーが登場するのかを記載し、あらかじめ「ローストプラン」を提出した後に決勝のローストがあり、そのローストが提出した「ローストプラン」に沿った内容のカッピングプロフィールが登場しているのかが採点基準とされていたからであった。
決勝では1日目に、配られた大会側が用意した生豆をサンプルローストしてカッピングできる時間が設けられていた。
その1回のサンプルローストで、シングルオリジン1種類とブレンド用3種類の計4種類の異なる生豆のサンプルローストと生豆のポテンシャルおよびカッピング・プロフィールを判断しなければならないことを事前の大会のルール&レギュレーションで知っていたので、日々の仕事のローストでその練習をしていた。
ローストしたコーヒーをカッピングする際に、アシディティ、ボディ、スイートネス、フレーバーを表記する練習だった。
そのなごりが、大会を終えた後でも引き継がれることになり、それが進化していったように思っている。
要は、口の中で広がるコーヒーの特徴を細分化して感じられるようになり、見えるようになることで、それぞれの味の組み立てがどの設定から登場しているのかが少しずつ理解できるようになってきたのだと思っている。
味づくりのアプローチの仕方は人それぞれでちがう。
どのような味づくりのアプローチをすることで、再現性が高くなり、狙って味づくりをすることができるようになるのか?
プロとしては、そこを求める味づくりをすることが重要なのだと思っている。