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バランスと設定。
公開日:2021年7月17日更新日:2021月07月17日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
バランスという言葉の意味には、いろんな意味が含まれている。
立体的な空間を指しているバランスもあれば、1次元の一本の線の上に存在する濃淡のバランスもある。
バランスとよく言ったり、聞いたりするものだが、バランスは奥が深い。
コーヒーの焙煎におけるバランスの取り方には、やはりいくつかの考え方があって、酸味の登場のさせ方だけでも、幾つかの登場のさせ方がある。
ボクの場合は、3つの設定の塊のバランスにより成り立っているように考えている。
それは、酸味の設定ではあるけれど、甘さの設定でもある。
そして、酸味の設定ではあるけれど、質感の設定でもある。
そして、酸味の設定ではあるけれど、クオリティを左右させる設定でもある。
すべての設定は、一次元の上に存在する点により成り立っている。
その設定の点の意味を理解することが「技術」であり、味づくりの再現性に繋がっている。
だから闇雲にその点を動かしていては、技術は身につかない。
そして、設定の意味は一つだけではないところに難しさがある。
モノゴトは単純そうで単純ではない。
だけれど、複雑そうでいて、単純のようにも思う。
コーヒー焙煎の難しさには、そういうところがある。
だからこそ、何十年も携わっていることが出来るのだとも思う。
焙煎機が進化する分、誰でもそれなりのコーヒーを作れるようにはなるが、その美味しさは平均化してしまう。
それは、メーカー側がローストを簡素化するために、設定を制御してしまっているから。
何を目指すかで、焙煎機も選ばなければいけない。
そこが、始まりのところなのだから。