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味の変化は、抽出の問題か?
公開日:2021年7月14日更新日:2021月07月14日
カテゴリ:お店のこと。, テイスティング
先ほどご来店された常連さまから質問があった。
「同じ豆(同じ焙煎のロットの豆)を毎日飲んでいるときに、日によって味が変わってしまうのですが、抽出のどこが悪いのでしょうか?教えてください。」
という質問です。
個人的な見解なのですが、その常連さまは香茶屋の抽出(浸け置き式)を採用してくれているので、抽出の要素でブレるということはあまり考えなくてもいいと考えました。
そうした場合に、2つの考えられる点の可能性の小さな方として、当店では「豆のまま」販売をしているのですが、その理由のひとつとして「欠点豆の混入」が挙げられます。
一応、焙煎後にハンドピックを行っているのですが、人のすることなので100%はあり得ません。
そこで、コーヒーミルで粉に挽く時に、豆粒の表情を見てもらって、「あきらかに、美味しそうではない豆」があった場合には取り除いてもらいたいのです。
一番見落とす可能性のある「美味しくない豆」は、「未成熟豆」です。
未成熟豆が混入していると、香りと味わい共に劣る要素がありますので、取り除いていただきたいと考えています。
味に悪い影響を与えるレベルの未成熟豆の特徴は「センターカットの面がシワシワしている」のが特徴です。
水洗式やパルプドナチュラルの精選方式ですと、果肉除去をするタイミングでパルパー(果肉除去機)で未成熟豆の選別がなされますので、未成熟豆の混入率が低くなりますので、それに加えて焙煎後のハンドピックをすると、ほとんど未成熟豆の混入はありませんが、可能性は0ではありません。
豆のまま購入されることで、コーヒーをミルで挽く時に、欠点豆を除去する意識で豆を見ることが出来るようになると、「美味しくなさそうな豆」を取り除くことが出来るようになりますので、「もしかしたら欠点豆が混入しているかもしれない」という意識で取り組むことで、毎日のコーヒーが更に美味しくなることは間違いありません。
そして、もう一つの理由ですが、それは人の「味覚の変化」です。
特に、この季節の移り変わりの激しい時期で、気温や湿度などの日々の変化が大きい場合に、「味覚」の変化を感じます。
同じ焙煎ロットの豆でも、「昨日は甘さを強く感じたのに、今日は酸味を強く感じる。」と言う具合に、日によって味覚の要素が変わってしまうものであると考えています。
ほとんどの一般消費者は「味覚寄り」で味を判断していますので、特に味覚の変化の異常を感じてしまうものだと考えています。
ボクたちのようにトレーニングで、フレーバーを探す意識で取り組んでいたとしても、その味覚の要素の変化を感じますので、一般消費者の多くの味覚寄りで味を判断している人たちでは、美味しさの基準が変わってしまうくらい大きな問題に感じてしまうかもしれません。
そうした場合に、「自分は味覚をメインで使って味わっているんだ。」と理解をすることです。
味覚の要素が変化をしても、香りや液体の質感は変わりませんので、味覚以外の情報でも楽しめる感覚を育むことで、季節の変化による体調の変化を感覚で補うことが出来るようになります。
テイスティングとは、3つの感覚を使って、フレーバーの情報を感じ取ることが目的となりますので、もしも自分が味覚寄りの感覚しか使っていないことに気づき、自分もフレーバー(風味)を感じとれるようになりたいと考えましたら、テイスティングの基礎講座という「学び。」も開催しておりますので
、ぜひどうぞ。