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相乗効果という意味と理解。
公開日:2023年5月3日更新日:2023月05月03日
カテゴリ:良質さのお話。
お菓子を再び作るようになって、
「そういうことなんだよな。」と気づいたことがあった。
シフォンケーキを試しに焼いてみることにした。
卵は以前も使っていた平飼い有精卵だったが、小麦粉を以前のものから北海道産の小麦粉を使うようになったので、その小麦粉で作ったらどうなるのか?を試してみたかったからだ。
そして実際に焼いて、そして食べてみると、小麦粉が変わっただけなのに以前記憶している風味、食感、余韻と、まったく見違えるほどにちがっていた。
そして気づいた。
相乗効果とは、こういうことを言うのだと。
卵と小麦粉の相乗効果によって、見違えるくらいに上質さが現れるようになるのだ。
本職であるスペシャルティコーヒーでは、今までの気づきから取り組んでいて、スペシャルティコーヒーを美味しくする手法は、すでにお店の運営にて実践している。
「どのようなミルで粉砕するのか」「どのようなお水を使うのか」が、コーヒーの抽出における相乗効果の美味しさの引き上げ方であることには気づいていたけれど、お菓子づくりにおける美味しさの引き上げ方において、これほどまでに素材選びが重要であったことには、改めて気づかされている。
ただ、多くのケーキ屋さんがこういう素材を選べない背景には、素材を見極めるための感覚を育てるという学びをしていないことが一番に挙げられるのだと思っている。
だから、こだわりで仕入れをしてしまう。
良いものとは、どのような条件で生産されたものなのか?
を知識だけではなく、感覚でも理解をする必要性があるからだ。
なので、まずは知識によってふるいにかけサンプルを入手し、そのふるいにかけられたサンプルの中から、良質な素材を感覚で見抜くことが求められるということ。
なので、知識と感覚の両者を使って、良いものを入手することが求められるのだ。
そうやって選び抜かれた食材が重なり合うことで、相乗効果により想像以上の美味しさが登場するようになる。
これは、スペシャルティコーヒーでも、お菓子づくりでも、何にでも当てはめて考えることができれば、良いものを作り出すことができるロジックなのである。
キーワードは、美味しさではなくて、良質さ。
素材選びの良質さが、相乗効果で驚くほどの上質な美味しさへと導いてくれるのだ。
なので、仕入れの目利きは想像以上に難しいことだと気づかないことには良いものを作ることはできないのである。