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目線と意図。
公開日:2023年4月26日更新日:2023月04月26日
カテゴリ:お便り, 感覚のはなし
昨日の定休日に秋野不矩美術館に出向いた。
今回のテーマは、≪見の目弱く、観の目強く≫「水」の声を聴く~いのちの源〜というテーマでの個展でした。
主に水辺の風景を描かれた作品の展示から、
「いのちの源である水、大地を肥やす恵みの雨、信仰や祈りを育む大河など豊かな生命力を育む自然に焦点を当てた作品群を展示。また、造形的な視点を解説しながら、作品と対話することの面白さをご紹介します。」
とあった。
ひと通り自分の目で見てから、その理解の乏しさから、分からないところを学芸員さんに聞いてみた。
すると作者の目線の解説や、それを描いている技法の使い方、そしてそのための構造的な構図の意図など、作者の造形的なその作品に対する意図の分析をいろいろと解説をしてくれた。
そして、その話を聞いてからその作品を見てみると、その作品の良さが感じられるようになった。
先ほどまでまったく的を得ていなかったその絵の良さが、解説を伺ってから見るとまったく違って見えてきた。
いかに自分の目線が偏った見え方をしていて、作者の訴えたい目線が見えていないのか、それを実感した時間でもあった。
そしてそれは、ボクのロースト目線であるモノづくりのための構造的な目線の意識へと落とし込むことが出来るのであれば、更なる味づくりへの構図の技術的な技法の組み合わせの捉え方のヒントになる気配を感じた瞬間であった。
モノを作るという意志や取り組み方は、ジャンルが違っていたとしてもすべて同じであると考えることができれば、その創作はすべての創作物から学べるモノである。
ボクはそう考えているので、その創作物の中から、自分の考え方とリンクする人から学ぶことで、その意志や意図を自分の創作物に落とし込むことができるようになるのだと思っている。
一番良いのは、その人自身から話を伺うことだと思うのですが、すでに亡くなられておられる場合は、その作品を通して込められている思いや意志、そして造形的な技術的な技法などを習得していくことができるのだと思っている。