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香りを分析することで、感じられるようになる。

公開日:2023年4月21日更新日:2023月04月21日
カテゴリ:良質さのお話。

香りを分析することで、感じられるようになる。

昨晩、帰宅した時に車から降りると「どんぐりの花の香り」が風に乗って漂っていた。
もうそんな季節になったんだなぁと思った。
どんぐりの木は、ここ浜松の低山にはたくさん生育していて、この季節になるとその花の香りが数週間つづく。
タケノコのアクの香りのような、そんな香りだ。

今朝、お店の裏側のドアを開けると、とても爽やかで上品な柑橘系の花の香りが風に乗って漂っていた。
ここ浜松では、高齢者が住む農家さんなど庭を持っている人の自宅には「みかん」や「夏みかん」「レモン」などの柑橘系の木が植えられているお宅も少なくなく、この季節になると白くて丸い花を咲かせ、徐々に白い花が開いてくる。
柑橘系の花はとても香りが強いのだが、遠くで嗅ぐととてもエレガントで上品な香りである。

少し前から、自宅前の空き地にノイバラが咲き始めている。
ノイバラは、みかんの花よりも繊細なので、日中になると、とても繊細でエレガントなバラの花の香りを風に乗せて届けてくれる。

季節の移り変わりで、花の香りが風に乗って漂ってくるのだが、その花の種類で季節感を教えてくれている。
ボクもテイスティングを学ぶ前は、残念ながら風に乗って漂っている「花の香り」の存在に気がつけずに、満開になった金木犀や、満開になった「どんぐりの花の香り」など、その咲き始めのまだ繊細で爽やかさの感じる花の香りの良さには気がつけなかったのですが、今ではある程度までの香りをキャッチできる脳に変わってきたのか、咲き始めの良いと感じる花の香りがわかるようになってきた。

フルーツなどでも同じで、ピークまではとても爽やかさがありエレガントなのですが、ピークを過ぎてしまうと爽やかさが存在しなくなり、重たくそして香りが濁ってきてしまう。

花の香りやフルーツの香りの情報から、どのような状態の香りが良質であり、どのような状態の香りがピークを過ぎてしまったのかを学ぶことで、コーヒーのローストによる味づくりが、どのような状態のフレーバーが良質で、どのような状態のフレーバーが劣っているのかが理解できるようになってくる。

好みで判断しているだけでは、意外とピークを通り過ぎてしまっている劣っている味づくりを好んでいる人がとても多い。
香りの質の良さは、強さで判断するのではなくて、その状態を分析することで見えてくるものなのだと思っている。

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