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簡単に考えているなら、チープな味づくりしかできない。

公開日:2023年4月19日更新日:2023月04月19日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

簡単に考えているなら、チープな味づくりしかできない。

テレ東のWBSのニュースサイトで、最近は自家焙煎コーヒー店が急増している背景が報道されていた。
数年前に流行ったタピオカ専門店が閉店するお店が増えたことで、その空いた店舗に自家焙煎コーヒー店が急増しているのだという。
その背景には、自家焙煎コーヒー店はハードルが低いのだという。

その報道された内容によると、ローストされたコーヒー豆は酸化が始まり、ローストしてから徐々に香りが変化していき3〜5日ほどで最も強くなるのだと説明。
当店も含めた一般のコーヒー屋だと、ローストしてから2〜3週間経過しているショップが多く、そのため香りや味は損なわれがちなため、注文を受けてからローストすることで芳醇な香りのコーヒーをお買い求めできるので、そういうショップが急増しているのだという。

そして、その背景にあるものは、コーヒー焙煎機を購入するだけの少ない元手があれば開業ができ、コーヒー焙煎の技術は学び易く飲食店に比べて手軽なのだそうだ。

確かにコーヒー豆を販売するだけなら、飲食店を運営するよりも初期費用も少なくて済む。
そして、コーヒー焙煎も焙煎機にコーヒー生豆を放りこんで、時間が経てば煎り上がる。
間違いではない。

ただし、それならば焙煎をする職人は必要ない。
仕入れの目利きも必要ない。

コーヒーを簡単に見ている人が多いのだなと、思いながら見ていました。
コーヒー焙煎は比較的簡単なんだと思っている一般人が多いということが、まだまだその難しさが知られていないんだなと実感。

確かに、ローストのフレーバーは焙煎直後は芳醇に登場するが、ローストによる味づくりの部分が見えてくると、ローストのフレーバーが芳醇ならば美味しいか?と言えばそうでもないことに気づけるようになる。
深い知識と感覚を学んでいない人たちが味づくりをしたコーヒーが、プロの味づくりだと認識されてしまうと、ビール業界のビール離れのように、コーヒーってそんなものかと思われてしまうようなコーヒー離れをする人たちが増えてしまうことが怖いと思った。

コーヒーが好きな人はローストのフレーバーが芳醇なものが好まれる傾向にあるけれど、それが本質だと考えている市場だとするならば、必ずコーヒー離れは引き起こされることだろう。

好きは盲目であり、許容範囲が広いもの。
苦手な人でも、美味しいと思えるものが良質なものであるとボクは思っている。

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