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仕入れのためのテイスティングと味づくりのためのテイスティング。
公開日:2023年4月15日更新日:2023月04月15日
カテゴリ:テイスティング
経験値が向上すると、理解力も向上する。
そこで理解できたことが、仕入れのためのテイスティングと、味づくりのためのテイスティングは、まったくの別物であると言うこと。
だからこそ、良いものを作れる人がなかなか登場してこれないのは、その二つの感覚を持ち合わせている人がまずいないからだと思えるようになった。
だとしたなら、まずはその二つの味わいの見方を知らなければ、そこにたどり着くことも儘ならない。
仕入れのためのテイスティングの場合では、スペシャルティコーヒーのテイスティングの取り組み方を学ぶことで理解が深まることだと考えている。
スペシャルティコーヒーの場合では、普通を4点として8点満点で評価項目ごとに「品質を評価」する。
どのような状態が、良質であるのかを理解した上で、4点の透明感、5点の透明感、6点の透明感、7点の透明感という具合に、好みではなく品質の良し悪しを評価する目線で素材のポテンシャルを各項目ごとに判断することが求められる。
各項目は8項目あって、透明感(クリーンカップ)・スイートネス(甘さの質)・アシディティ(酸の質)・質感のよさ(マウスフィール)・フレーバー・バランス・個人の好みの8つである。
お菓子づくりの場合でも、その目線でそれぞれの素材の良し悪しを判断して仕入れをすれば良い仕入れが出来るようになる。
もう一つの、味づくりのためのテイスティングでは、素材ごとに登場しているフレーバーが感じられないことには始まらない。
コーヒーの味づくりの場合では、素材ごとではないが、ローストによる「ローストのフレーバー」の変化と「素材のフレーバー」の変化を感じることが求められ、そしてそれらのフレーバーの登場の仕方とそれらのバランスが感じられるようになることで、味づくりができるようになる。
味づくりのためのテイスティングでは、それぞれの「フレーバー」を見る必要があるが、仕入れのためのテイスティングでは評価項目ごとの「品質」を見ることが求められる。
これが理解できるようになるためには、相当時間がかかる。
ボクも昨年ようやく、その意味が理解できたくらいなので、良いものを作りたいと考えた場合には、2つのテイスティングで見る目線が違うということを意識して取り組むことで、そこに近づくことができるようになると思っている。