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テイスティングの講座を開催するわけ。
公開日:2023年4月7日更新日:2023月04月07日
カテゴリ:テイスティング, 講座。
最近になって、コーヒーテイスティングに興味を持ってくれる人が少しずつ増えてきてくれていることを実感している。
そして、興味を持ってくれることが素直にとても嬉しい。
ボクが伝えたいテイスティングは、ワインのように詩的に表現をすることではない。
もちろんフレーバーの景色が見えてくれば、表現は格段にしやすくなることは間違いないが、ボクが伝えたいテイスティング・スキルとはもっとロジカルであり、フレーバーの情報をカテゴリに分類をすることで見えてくる、フレーバーの成り立ちから見たバランスの優位性は、人が創り出している部分であることが見えてくるからこそ、作り手の思慮された味づくりの奥深さであったり、味づくりに隠された想いを感じ取る能力がテイスティングの奥義であるのだと思っている。
簡単に言えば、テイスティングの能力が向上すれば、良質なものと出会ったときには今以上に感動するようになるのである。
コーヒー生産も農業ではあるので、栽培する上で最適な気候や土壌などの環境は、間違いなく重要な要因であることは間違いない。
しかしながら、それだけでは良質なものを作り出すことはできないことを学んで知っている。
コーヒー生産にとっての良質さは、収穫のタイミングであったり、生産処理の工程の一つずつであったり、人の施す工程の意味や、その工程のタイミングの一つずつ全てで良質さは左右をしている。
そして、それぞれの意味をテイスティングによって分析することで、段階的に良質なものを作ることができるようになる。
最終的なコーヒーという液体の飲み物にした状態から、そのフレーバーから各工程を、それぞれのタイミングを分析することがテイスティングの役割となる。
ただし、そこまでのテイスティング・スキルを身につけることは時間がとても必要となるので、「この道で食べていく」と決意した瞬間から、テイスティングを日々学ぶことが求められるのだと考えている。
どのようなトレーニングが、そのスキルを身に纏うために必要なプロセスであるのかは、失敗を何度も繰り返しながら経験しなければ分からないことであり、その蓄積が歴史の長い企業や個人には存在していることも間違いないが、なかなか外部には出てこない。
ボク自身も、20年以上をかけてようやくフレーバーの成り立ちや、その奥に隠されている意味がわかるようになってきたことで、テイスティングを学ぶ意味を伝えたいと思うようになってきた。
だから、テイスティングを表現だと思っているならば、それはテイスティングにおける意味の氷山の一角であって、その本質は別の部分にあるのだとボクはそう思っている。
今のボクが思うことは、テイスティングはモノづくりをする人たちの為に必要なスキルであり、そのスキルは受け取る側の人たちにも備わっていれば、モノづくりに隠されている意味を感じ取れるようにもなる能力でもある。
フレーバーから、香りから伝わる情報をもっとキャッチできるようになれば、いろんなことが見えるようになってくる。
それくらい、香りが持っている情報量は大きく、そしてほとんどの人たちはその香りの持っている情報を一部しか感じていないからそれほど感動ができないでいる。
食べたり、飲んだりすることが人生の喜びの大半を占める人ならば、感覚を磨くことを絶対に学んだ方がいいとボクはそう思って講座を開催しているのです。