読み物。

影の美しさ。

公開日：2023年3月30日更新日：2023月03月30日
カテゴリ：良質さのお話。

「光があるから、影が生まれている。」
当たり前のことなのだけれど、良質なコーヒーを手掛けたいと思わなかったなら、影の美しさに気がつかなかったことだろう。

世の中のものには、光を透過させるものと、透過させないものがある。
これも皆がしっている当たり前のこと。
当然ながら、光を透過させないものは、光を透過させた影は伸びない。

なので、コーヒーをカッピングした際に脳裏で感じる「光の表現」をどう演出するのか？
そこが、焙煎士の腕のみせどころでもあるのだと思っている。
この歳になって、良質さとは「光」であるのだと思うようになったけれど、それは同時に「影」の存在も含めたものであるのだと。

水蒸気が集まって雲になるが、雲も影ができている。
世の中に存在する影は、光が無くては存在できないもの。
だから、光があってこそ影も存在していて、そして光の描写こそが美しさなのである。

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