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フレーバーをカテゴリに分類することが大切。
公開日:2023年3月18日更新日:2023月03月18日
カテゴリ:テイスティング
昨日のフレーバーをコメントすることの続きの話。
当店でフレーバーをコメントする場合に大切にしていることは、「カテゴリ」を重要視すること。
これは何を述べているのかと言うと、登場しているフレーバーが「似ている香り」では足りなくて「何に近い」かが大切なのだと考えている。
先日もエチオピアのフレーバーに「シナモン」はありますか?
と聞かれたのですが「シナモン」は元々「木の樹皮」なので、本来なら「木の香り」が登場していなくてならない。
カテゴリとして「ウッディ」が入るのです。
当店のエチオピアに「ウッディ」は見当たらなくて、その代わりに「ハーブ」が入るので、ハーブ系のコメントなら理に叶っているわけです。紅茶とか。
そのように「カテゴリ」とリンクしているコメントならば、誰が味わったとしても「うんうん」と頷けるはずである。
しかし「カテゴリ」に無いコメントは、意味がわからない。
○か×で示さなければならないなら、カテゴリに当てはまらないコメントは×なのである。
本来コメントは、まだそのコーヒーを飲んだことのない人に、「そのような風味があるコーヒーなんですよ」と印象を示す解説の言葉。
意味が理解できない解説は、誰でもが理解できるはずもない。
例えるなら乳製品を食べた際に、その牛乳のエサが「草」を主食としているものなのか、安い「穀物」を多く与えられたものなのかは、フレーバーの中に登場している香りの情報を分析することができれば理解できること。
それはカテゴリが「草」なのか「穀物」なのかをフレーバーからキャッチできれば理解できることなのです。
コメントは紐解いていくことができるものでなくてはならなくて、すると分析できるものなのである。
するとコメントには、カテゴリがとても大切なことが分かっていただけたことだと思う。
そしてボク自身がテイスティングを学んで理解してきた道では、カテゴリに分類することの難しさを知っている。
生まれつき嗅覚がある程度敏感で、香りの情報量を生まれつき感じられる人ならまだしも、ほとんどの人たちにはきちんとカテゴリに分類することは不可能なのだと思っている。
カテゴリを理解するための手順としては、まず香りの情報の「重さ」が認識できなくてはまず無理な話し。
そして香りの情報の「色」の情報も同時に認識できなくてはならない。
それらがきちんと見えるようになって初めてカテゴリにきちんと分類ができるようになるというロジックに気づいている。
まだそこが見えていない人の学びでは、まずはフレーバーの景色が脳裏で見えるようになること。
味を口内で見るのではなくて、風味を脳裏で見えるようになることが求められる。
そして、その次のステップでは徐々にカテゴリに分類しながらインプットをすることが求められる。
それらを段階的に理解していかない限り、きちんとカテゴリには分類が出来ないものであることを今まで歩んできた人生で知っている。
これは、コーヒーでもワインでもなんでも同じこと。
カテゴリで分類できるようになることで、いろんなことが見えるようになる。