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検証するために「感覚の精度」を向上させるために取り組む。
公開日:2023年3月8日更新日:2023月03月08日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。, 論理的な考え方
ボクがローストを仕事としてやり始めた頃、「蒸らしが大事で、生豆をしっかりと蒸らしてから焙煎をする」ような理論が定着していて、今でもローストで「蒸らし」と言う言葉を使っている焙煎士は結構いるのではないかと思う。
でも、その理論は本当に正しいのか?
ということを検証しなければならないとボクは思っている。
スペシャルティコーヒーで良質な酸味を登場させようとすると、ある程度短時間でローストしなければならないことに気づくようになる。
するとしっかりと時間をかけて「蒸らし」をすることが当然できなくなる。
コーヒーのような食料品は検証を官能検査にて検証するしか手段がないため、「蒸らし」の有効性や必要性は、官能検査で判断することになる。
理論や理屈は、食料品の場合は官能検査にて検証するため「感覚」に委ねられることになる。
そこに落とし穴がある。
その「感覚の精度」を検証することがとても大事だからだ。
感覚の精度が、ひどく劣っていたのならば、理論や理屈を判断する基準が「笊(ザル)」となってしまう。
なので、理論や理屈を検証するための感覚の精度を常に磨き、その精度を上げていく取り組みをしなければならない。
すると、理論や理屈をしっかりと検証することができるようになり、徐々に論理的な思考で、取り組むことができるようになるのだと考えている。
なので、最終的に検証するために「感覚の精度」を磨く必要性があり、その両輪があってこそ良いものを安定して作ることが可能になるのだと考えている。
長くなってしまったが、今現在のボクの思考の中には、ローストによる「蒸らし」と言われる解釈は存在してはいない。