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美味しさの追求は、主観の追求であり、良質さの探求は、感覚を育み感情を豊かにすることである。
公開日:2023年3月5日更新日:2023月03月05日
カテゴリ:感覚のはなし
昨日も述べましたが、人それぞれで美味しさの感じ方が異なるのは、美味しさは「主観」だから。
美味しさは人それぞれで良いのですが、良質さは人それぞれであってはならない。
そして、良質さを学ぶと次第にわかってくることは、主観が良質さの理解の邪魔をしているということを。
今までの経験で理解できてきたことは、なぜ美味しさが人それぞれなのか?
それは、美味しさは口の中で感じている情報なのですが、美味しさをキャッチする感覚が3つもあるからだと推測をしています。
一般的に言われている美味しさを判断するための感覚の「味覚」と、ボクたちが大切だと述べている「嗅覚」と触れて感じている「触覚」の3つ。
その3つの感覚のどれをメインにして感じているのかでも、美味しさの捉え方は変わってくるものだと考えています。
要は偏った感覚で人それぞれが美味しさを見ているので、人それぞれ美味しさを感じているポイントが異なるのだと。
コーヒーを評価(COE評価)する場合には、7つのポイントを見て評価する必要がある。
クリーンカップ(透明感)、スイートネス(甘さの評価)、アシディティ(酸味の評価)、マウスフィール(質感の評価)、フレーバー(風味の評価)、アフターテイスト(余韻の評価)、バランス(バランスの評価)の7つ。
意外とこの7つの項目が理にかなっていて、この評価項目の一つ一つを深く学んでいくことで、いろんなことが感じられるようになってきます。
ただし、言葉の持つ意味には複数の意味が潜んでいるものなので、その言葉の持ついろんな意味を探る学びでもある。
ほとんどの人たちは、その項目の一つの意味を見つけてそれを理解したと考えている人たちが多いのですが、実際には幾つかの意味があるために、良質さをしっかりと認識できなかったりする。
だからこそ、いろんな現象とその意味を整合させることが重要で、それが理解できてくることで、正しい評価と正しいコメントも選べるようになるものであるのだと。
だから学び始めると、終わりはない。
特に難しいのは、クリーンカップ、スイートネス、アシディティ、マウスフィールだと僕は考えている。
それらがきちんと感じられるようになれば、自ずとフレーバーもアフターテイストもバランスも感じることができるから。
学ぶことで少しずつそれらを感じられるようになってくる。
少しずつ感じられるようになると、美味しさの意味が少しずつ理解できてくる。
理由と感覚はリンクし、それが感情へと繋がっている。
感情へと繋がる道は、嗅内野や海馬を含めた大脳辺縁系を刺激する香りの情報となる。
だから、嗅覚を意識し、香りの情報を分析できるような脳を育てていくことが大切なのである。
美味しさの追求は、主観の追求であり、良質さの探求は、感覚を育み感情を豊かにすることである。