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気づくか、気づかないか。=キャッチするか、キャッチしないか。
公開日:2023年3月2日更新日:2023月03月03日
カテゴリ:感覚のはなし
今日来店された常連さまが、「ドリップバッグってどうなの?」と言われた。
その「どうなの?」は、コーヒー豆から買って飲んでいる人たちにとっては、美味しく感じるの?
という意味だった。
当店にコーヒー豆を購入するために初めて来店されるお客さまの99%くらいは、ペーパードリップを使用しているのが現状。
その人たちの中で、「紙の味がするのが嫌だ」と思われている人は、1%も満たない人たちだと解釈をしている。
なんで、こんな話をしているのかと言うと、ドリップバッグもフィルターは不織布を使用しているのですが、カップにかけるフックが紙で出来ているため、出来るだけそのフックにお湯が掛からないように抽出しても、やはり絶対にお湯が掛からないということはあり得なく、そのフックの紙の味がコーヒーの液体に味として溶け込んでしまう。
そこが気になるか、気にならないか。
と言う問題です。
それ以外は、ドリップバッグも当店のローストだし、ミルもditting社のグラインダーを使用して挽いていて、そして窒素ガス充填を施しているので、品質的には申し分のない状態であると言えます。
なので、当店でも年々ドリップバッグの生産量は増えています。
ボクもテイスティングの能力が向上する前の状態では、紙の味は気になりませんでした。
なのでドリップバッグも手軽だし、とても重宝するアイテムであると思っています。
ですが、今はその「紙の味」に違和感を感じてしまうので、気になります。
「美味しさは、主観」ですので、その人にとって気になる点が有るか無いかはとても大きなポイントとなります。
あるテレビ番組で、タレントの所ジョージさんが「ピーナッツオイル」が苦手なのですが、番組のスタッフが「ここのピーナッツなら大丈夫なはず」と持ちんだピーナッツが苦手な人でも美味しく食べれるという「ピーナッツのあんこ」を食してもらったのですが、やはり苦手みたいで、そのコメントが、
「落花生って”土”の味がして苦手」とコメントをしていました。
ほとんどの人たちは、落花生のフレーバーの中から「土の香り」をキャッチすることもないと思います。
気づくか、気づかないか。
言い換えると、キャッチするか、キャッチしないか。
その脳がキャッチした情報を、美味しく感じるかどうか。
美味しさとは、そう言うものである。
なので、キャッチしないのなら、不味い(マズい)は感じない。
不味くないので、美味しく感じる。
美味しさとは、そう言うものである。
では良質さとは、なんなのか?
良質さとは、その「土の香り」がポジティブであるか、ネガティブであるかと言うこと。
土の香りが登場していたとしても、その土の香りがポジティブか、ネガティブか。
そこを学んでいくことで、品質を感覚により判断をする。
前提としては、その「土の香り」を感じられるようになること。
気になるか、気にならないかは、好み。
求められるポイントが異なるのですが、その意味が理解できる人も少ないので、なかなかボクたちの目指している美味しさに気づかない点も多いのです。
なので、好みの美味しさを追求することと、良質さを探求することは視点が異なるというお話し。