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感受性能力と分析する能力の違い。
公開日:2023年2月17日更新日:2023月02月18日
カテゴリ:感覚のはなし, 良質さのお話。
香りを受け取る敏感さ(感受性能力)と、香りの情報を分析をする能力は別物である。
なんでこんなことを書いのかと言うと、ボクたちの取り組んでいるテイスティングの学びは後者の「香りの情報を分析する能力」を発達させるためのトレーニングで、前者の「香りを受け取る敏感さ(感受性能力)」を向上させるための取り組みではないことに気づいたから。
しかし、トレーニングによって香りの情報を分類できるようになると、折り重なる香りの情報のカテゴリの異なる香りは見えるようになるために、あたかも感覚が敏感になったと思えるようになる。
なのでボクのように、香りを受け取る能力の敏感さに天性の素質が無かったとしても、分析力が身につくことで、香りの情報量の多くを感じ取れるようになってくる。
後者の「香りの情報を分析する能力」は、トレーニングにより明確に分析力が向上してゆくため、良質さを理解するためには、その能力の向上が欠かせないものであるのだと考えている。
なので良質なモノづくりの為には必要不可欠な能力であり、良質さが理解できるからこそ、良質さを表現することが出来るようになるのだと言うこと。
なので、生まれつき嗅覚が敏感な人だとしても、何もトレーニングをしていなかったとしたなら、香りの情報を分析をすることはまま成らないものであると考えている。
なので最終的には「好み」に偏るものとなる。
良質さとは、どのようなものが美しさであるものであるのか?を問いながら、そしていろんなモノの美しさの共通点を見い出すことで、良質さの定義が構築されていくものであると考えている。
そのためには、分析ができる能力を備えることが重要なのだと。
なので、ボクたちがテイスティングで重要視する能力は「分析力」なのだということ。
分析力が育つことで、その背景に存在している情報を読み取れるようになるためです。
まだ若い人が、将来良いモノを作れるようになりたいと考えた場合には、美しさの理解力は必要不可欠な問題となる。
その理解には、とても長い時間が必要となるので、その重要さに気がついた時点から学び始めることをオススメする。
もちろん、何も作り出してはいないが、自分の好奇心から、美しさの理解を深めたいと言う方にも、その学びは将来の自分のためにとても貴重な財産になるものであるとも考えている。
いろんな美しさを理解したい人のために、自分の興味のある分野の美しさを探すためのヒントを美しさの共通点を探ることで、その理解を深めてくれる。
その共通点を探るための気づきを与えてくれる能力が分析力であると考えています。
香りの情報を分析するためには、その前段階の「フレーバーの景色」が見れることが求められるので、まずはビオあつみさんで開催している「フレーバーの景色を見るための講座」に参加してみて下さい。
感覚の成長は一歩ずつ確実に歩いていくこと。
一段抜かしは出来ないのが感覚の育成ですので、一歩ずつ確実に歩んでいくことがとても大切なのです。