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表現と技法の関係性。
公開日:2023年2月15日更新日:2023月02月15日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。, 論理的な考え方
焙煎の味づくりにおいて「こうするとこうなる。」という取り組みから結論に至るプロセスは、焙煎(ロースト)の技法に集約されている。
なので、焙煎を習いはじめの段階では未知の技法を知りたがる。
技法とは、経験から裏付けされた技術であるので、技法さえ知れば味づくりが形になるからである。
なので経験値が乏しい習いはじめの時期には、今の時代であれば協会がセミナーを開いてくれていたりするので、そういう焙煎のセミナーに参加したり、ローストの方向性が同じタイプの人たちが集まってグループを組んで一人だけでは不足する経験値をグループで情報を共有することで、いろんな技法の可能性を広げていったりする。
確かに技法は味づくりにおいてとても重要な要素であることは間違いない。
ただ陥りやすい点は、「技法ありき」の味づくりになってしまうということ。
時代の流れの中にある味づくりは、皆一様に同じ技法で取り組む。
すると、時代の流れの中にある味づくりは、皆一様に同じような味づくりとなってしまう。
これは、ボクも同じような道を歩いた時があったからこそ言えることで、時代の流れの中にある味づくりというものは、一律に同じ技法を用いるので、同じような味づくりになり得やすいものなのである。
それは当然のことである。
でも表現とは、そのようなものではないと気が付くと、表現のために技法の選び方が求められるのだと理解できるようになる。
技法により味づくりをすることと、表現のために技法を使うことは意図が違う。
豆によって個性が違うので、その個性を最大限に焙煎士が思い描くように表現しようとした場合に、技法はその豆の個性を最大限に活かすために使うものであることが理解できると、技法の使い方が理解できてくる。
なので、表現をしようと考えた場合には、技法を使いこなせなくてはならない。
これは、今年になって理解ができたことなので、これからもっと豆の個性に合わせた味づくりができるようになるのだと思っている。