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立ち上がる香りからフレーバーを見る。
公開日:2023年2月3日更新日:2023月02月03日
カテゴリ:良質さのお話。
先日のテイスティングの基礎講座で、受講者と同時にフルーツを食べながらコメントしていて「ハッ」とした。
そう自分で言ったコメントに隠れている情報に、ハッとしたのだ。
これは、以前だったなら他人がそのコメントをしていたとしたら「わかってないなぁ」と心で思っていただろう。
しかし、「そういうことだったんだ」と改めて気づける感覚が育っていることに感謝した。
それは、立ち上がるアロマ(空気を吸い込んで感じる香り)のコメントで、ボクは「フレーバーは○○○○で××××な感じですよね」とコメントしていたからだ。
本来なら、アロマを嗅いでいるので、フレーバー(口の中で感じる風味)ではなく、鼻から嗅いでいる香りの情報なので、「フレーバー」というコメントはふさわしくはない。
しかし、アロマを嗅いでいるのですが、脳でフレーバーとして分析ができるようになってくると、立ち上がる香りの情報から、口の中で広がる風味を連想することが出来るようになる。
そういうことなのだと感覚が教えてくれていた。
以前、ボクがテイスティングを教わっている生豆問屋のOさんが言っていた言葉を思い出した。
「ボクよりも上のレベルにいる人たちは、アロマの情報からフレーバーを読み取る人たちがいるんですよ。」
そう言っていた。
ボク自身は、元々嗅覚が鈍感で繊細な香りは見逃してしまう人なので、今でも嗅覚が敏感な人たちと比べると圧倒的に嗅覚は鈍いと自分ではそう思っている。
しかし、「脳で感じる」ということと、「嗅覚が敏感」ということは実は意味が違うものだと考えている。
ある程度までは、嗅覚も磨くことで敏感にはなるのですが、元々生まれ持った敏感さは手には入らないと薄々はそう思っている。
しかし、「脳で感じること」は、また別の問題で、その「脳で感じる」ことで嗅覚の敏感さを補うことが出来るのだとそう思うようになってきている。
脳で香りの情報を置き換えて、脳裏で見えるようになるので、分析がしやすくなる。
脳裏で見え感じることで、感情に訴えかけてくる美味しさが良質さであることがわかってくる。
平凡なものは残念ながらそれほど感情には訴えてはこないものだから。